植物の大いなる抗がん作用に注目したい
中国では毛沢東の時代から、がんの種類別の多発地域を探し、そこに調査研究班を派遣して流行の原因を探らせていました。
そしてここ数年、がんの多発地域で予防実験が計画され、実施に移され始めています。
中国のがん対策の一つの特徴は、がんは治すことはできなくても前がん状態なら治せるが、治せなくてもがんへの進展を阻止できるという発想に立って対策を行っていることです。
抗がんの薬としては、漢方薬にカロテン、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンCなどを組み合わせ、がん予防に有望な成績を上げています。
1980年代の中頃、アメリカ国立研究所のデピーク所長はシアトルで開がれた国際がん研究所の特別講演で、「がんは治しやすい慢性病の一つだ」と述べました。
アメリカ科学アカデミーはがん予防に関する食事について勧告しましたが、その中で次のようなことを述べています。
「未精白の穀類、果物、野菜等、繊維質に富んだ物をもっと食べること、ベータカロチンに富んだ食べ物、つまリホウレンソウ、ブロッコリー、キャベツ、ニンジンなど、緑黄色野菜の葉菜類、アンズ、モモなどの果物をもっと食べること、アブラナ科(または十字花科)の野菜をもっと食べること」
植物やハーブ類を、自然のままに私たちの生活の中に取り入れると、人以外の生物たちのように、私たちはそれほどがんによって苦しめられずにすむかもしれません。
アカネ、イチジク、クコ、クマザサ、サルトリイバラ、ビワ、マンネンタケ……、この他にも数多くの抗がん作用がある植物が存在しています。
多くの植物には人間の免疫力を高める作用のあることが報告されていますが、免疫力を高めることは抗がん作用をさらに強めることにつながり、植物のもつ殺菌・殺ウイルス作用と相まって一般疾病の予防、治療に効果をもたらしてくれます。
しかしながら、すでに発症したがんに対して植物の抗がん性作用を期待するの はきわめて難しいことと思われます。
がんは1個の細胞のがん化から発生すると推定されています。
しかも正常細胞のがん化には少なくとも2つの遺伝子が変化し、がん遺伝子とならなくてはなりません。
2つの遺伝子が変化してがん遺伝子となる確率は比較的低く、発見することができるほどのがんに成長するまでには長い潜伏期問があると考えられます。
この潜伏期間におけるがん細胞は比較的少ないため、植物の抗がん物質がもつ「脱がん化」作用は、がん化した細胞を正常に戻しがんの発生を予防する期待が十分にもてると思います。
人間以外の動物にがんの発生頻度が低いことも、この期待に対する一つの裏づけとなるかもしれません。
ただし、このことが裏付けられ、確信をもって発表できるようになるには、緻密で忍耐のいる研究とさまざまな困難に打ち勝ちながらの長期間にわたる実践が必要でしょう。
しかしながら、すでにこのような予防法は世界各地で行われ、がんへの予防対策を推進していることは事実です。
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