人間は太りやすい動物である
なぜ人間は太ってしまうのでしょうか。
余計な脂肪さえつかなければ、ダイエットなんて苦労しなくてすむのに……。
それに比べて、自然界には太り過ぎで困っている動物は存在していません。
太り過ぎの象やキリンやカエルやクワガタの話なんて、問いたことのある人はいないのではないでしょうか。
ところがこれがペットのように、人に飼われるようになると肥満が出現するのです。
一時、動物園の動物のなかに、高血圧や糖尿病など、まるで人間がかかるような病気が増えて話題になったことがあります。
これは結局のところ肥満が原因でした。
話をわれわれ人類のことに戻しましょう。
人類がこの世に生まれたのは、およそ四〇〇万年前のことといわれています。
農耕がはじまったのがおよそ数千年前といわれていますから、人類はそのほとんどの間、狩猟・採集生活で食料をまかなっていたことになります。
ところが、狩猟・採集といっても、原始的な武器しかなかった古代では食べ物を得るのは容易なことではありません。
目が覚めてから眠りにつくまでの間、いつ食べ物にありつけるがまったくわからない毎日だったと考えられています。
したがって、いったん食べ物が口に入ったときには、積極的にエネルギー源として蓄えようとする仕組みが、私たちの体のなかにはできあがっていきました。
それが、脂肪の蓄積です。
体は、食べたものが多すぎるからといって、吸収せずに排出してしまぅ仕組みは持っていません。
食べたものは確実に、その分だけ体のなかに取り込まれていくのです。
「食べたらとにかく蓄える」。
このような体の仕組みはほかの動物にも当てはまります。
「食べ物が、気候や環境に左右されず、決まった時間に食べたいだけ手に入る」などということは、自然のなかではほとんどありえないことだからです。
それでは脂肪は体のどこに蓄えられるのかというと、一部が肝臓に溜まるほかは、ほとんどが脂肪細胞に蓄えられるのです。
脂肪細胞は普通の細胞とは異なり、大きさを三倍にまで拡大することができます。
しかも、身体中に無数といえるほど(一八〇億個以上)存在していますから、理論的には際限なくいくらでも脂肪を蓄積することができることになります。
「ここまで太ったらもうこれ以上太らない」などというボーダーラインはないものと思い、肥満と診断された人は一刻も早くダイエットを実践したいものです。
余計な脂肪の量が少ないほど、ダイエットも容易です。
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