「スリムになる食品」は存在しない
「塗るだけでダイエット」と同じくらい手軽にできるのが、「飲むだけ、食べるだけ」のダイエット商品です。
なかでも一番浸透しているのが、ウーロン茶をはじめとする中国茶ではないでしょうか。
ウーロン茶のなかにはサポニンがあり、これが脂肪を分解する。
だから油っぽい中華料理を食べても中国の人は太らないのだと説明されれば、なるほどそうかと思ってしまうかもしれません。
たしかに、サポニンには多少は脂肪を分解する働きがあるようです。
でも、体のなかで脂肪を分解させるほどのサポニンを、ウーロン茶だけでとろうと思ったら、何万リットルもの量を飲まなければならないことになります。
これが、一見科学的な説明のついたダイエット商品の落とし穴なのです。
試験管の中と人体の現実とは違います。
実験室では、抽出した微量成分を大量に投下して、結果を調べます。
たとえ同じ物質が自然界に存在したとしても、その濃度は何千分の一、あるいは何万分の一の値です。
実験データ通りの効果を自然食品で摂取しようとしたら、それこそ馬に食わせるほどの、あるいはクジラが飲むほどの量が必要になるのです。
ウーロン茶以外にも、さまざまな中国茶が減肥茶として出回っています。
しかしその成分はセンナなどの下剤や、利尿剤を混ぜたものであることが多いようです。
下剤や利尿剤を飲めば、排便や体水分の減少により一見体重計の針は下がります。
でも体脂肪量にはまったく変わりはありません。
何年か前、月見草オイルで痩せたという芸能人のダイエット法が紹介されて、話題になったことがあります。
月見草オイルに含まれているγ−リノレン酸が褐色脂肪細胞を活性化して、体の熱産生を高めて痩せることができるというものでした。
なんと科学的な話ではないでしょうか!
ところが、ここで疑問が二つあります。
γ−リノレン酸にそのような働きがあるのか?
人では褐色脂肪細胞の量は少なく、それほどのダイエット効果があるのか?
どちらもまだ証明されていないことなのです。
彼女は、一日1200キロカロリー前後の減食療法を併用していたそうなので、なにも月見草を持ち出さなくても、十分ダイエットはできたはずなのです。
一見科学的な根拠をあげるダイエットの多くは、実験データのおいしいところだけを、都合のいいように解釈したものがほとんどです。
飲むだけ、食べるだけで、体脂肪を分解するような食品はありません。
手軽さに惑わされることなく、ほんとうに科学的なダイエットを毎日続けることが、結局は理想体重への近道なのです。
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