早食い、ドカ食いは肥満の近道
ある会社に就職した新入社員。
昼食や夕食時に、上司の早食いにつきあっているうちに、一年とたたないうちに、上司とそっくりの肥満体型になってしまった。
こんな笑えない体験談を聞いたことがあります。
一般に、早食いやドカ食いは太るといわれますが、それはなぜなのでしょうか。
私たちが「もうおなかがいっぱいだな」と感じる満腹感は、脳の視床下部にある��満腹中枢�≠ェ刺激されて起こります。
その仕組みにはいろいろありますが、胃壁が伸びることと血中の血糖値が上がることが、満腹感に大きく関係していることがわかっています。
食物を食べたために胃壁が伸びたり、血糖値が130mg/dl程度に上昇すると(普段は90〜110mg/dl)満腹中枢が刺激されて食欲にストップがかかるわけです。
ところが、早食いは食べ物を口の中で味わう余裕もなく飲み込むため、「食べた」という満足感が少なく、何か物足りない感じにとらわれてもっと食べたくなります。
そのうえ、食べ物を胃に押し込むように食べるため、食べ物の胃の通過時間を短くしてしまうのです。
胃の通過時間が短くなると、胃の中に食べ物が充満せず、胃壁を十分伸ばすことがありませんので、満腹感をなかなか感じることができなくなります。
さらに、胃の通過時間が短くなる分、栄養が吸収される小腸に早く食べ物が達するため、栄養分が吸収ダイエットに欠かせない食事と栄養の知識される時間も早くなります。
満腹感のもう一つの要因である血糖値の上昇はどうでしょうか。
血中のブドウ糖の濃度が上がる仕組みは、食べ物のなかの炭水化物が胃腸でブドウ糖にまで分解されて、それが小腸から吸収され、血中に入ることによって引き起こされます。
つまり、血糖値の上昇によって満腹中枢が刺激されるまでには、多少の時間がかかるわけなのです。
早食いの場合、血糖値の上昇を脳が感じる前に、どんどん食べ物をつめこんでしまうので、満腹感を感じたときには「すでに食べ過ぎ」の状態になっているわけです。
早食いのもう一つ困った点は、短時間に次から次へと大量に食べ物を摂取するため、早く吸収されたアミノ酸やブドウ糖の血中濃度が急激に上がることにあります。
普通なら、血糖値の上昇は食欲の歯止めになるのですが、あまりにも急激に血糖値が上がってしまうと、それを抑えようとインスリンが過剰に分泌されます。
インスリンの過剰分泌は、今度は血糖の低下を招きます。
血糖が下がると、脳の視床下部にある空腹(摂取)中枢が刺激されて、食欲が高まるのです。
早食いドカ食いは血糖の急激な上昇→インスリンの過剰分泌→血糖の急激な低下→食欲の昂進→ドカ食いという悪循環を生んでしまいます。
ゆっくりとよく噛んで食べることが大切
このようにして、早食いは食欲を促し、なおいっそう食べたくなるという悪循環に陥り、食べ過ぎを招きます。
食べ過ぎによって吸収された栄養素は、体内で余剰エネルギーとして脂肪に変わり、肥満を進めていくことになります。
ドカ食いも同じことで、急激な栄養の吸収がインスリン分泌を高め、血糖を下げて食欲を増進させます。
そして急激に分泌されたインスリンは、体内の余分なエネルギーをせっせと脂肪に置き換える役割も果たしていくわけです。
ダイエットのためには、ゆっくりとよく噛んで食べ、少ない量で満腹感を得られるようにすることが大切です。
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