リンゴ型肥満と洋ナシ型肥満
肥満度からみると、一〇%以内なら正常、二〇%以上が肥満で生活習慣病の準備状態、三〇%以上はなんらかの生活習慣病にかかっている可能性のある病的な肥満(すなわち肥満症)であるというお話は、前にいたしました。
しかし、最近になって、肥満度からみるとそれほど重くない人でも、脂肪のつく場所によっては生活習慣病にかかりやすいことがわかってきました。
おなかから上に脂肪のつく肥満を上半身肥満、あるいは体形がリンゴに似ているのでリンゴ型肥満ともいいます。
腰から下に脂肪のつく肥満を下半身肥満、あるいは体形が洋ナシに似ているので洋ナシ型肥満ともいいます。
肥満をこの二つのタイプに分けると、上半身肥満の人は、肥満度が小さくても、糖尿病、高脂血症、高血圧、動脈硬化症などの生活習慣病にかかりやすいことがわかってきました。
上半身肥満と下半身肥満の区別は、
ウエスト(W)÷ヒップ(H)の計算で、0.8以上を欧米では上半身肥満としていますが、
日本では女性0.8以上、男性1.0以上が、生活習慣病になる危険が高いことが報告されています。
上半身肥満には二種類の肥満があり、おなかの皮が厚く、主として皮下に脂肪のつく皮下脂肪型肥満と、おなかの皮は薄くおなかの中の内臓のまわりに脂肪のつく内臓脂肪型肥満があります。
そして内臓脂肪型肥満のほうが、生活習慣病にかかりやすいことがわかってきました。
皮下脂肪型と内臓脂肪型を区別するには、CTスキャンという検査が必要ですが、おなかにたるみがあってつまみやすいときは皮下脂肪型、つまみにくいときは内臓脂肪型と考えられます。
CT検査によれば、肥満度からみて正常体重範囲内の人でも、おなかの皮下脂肪が薄く内臓周囲の脂肪が多い場合は、生活習慣病になりやすいともいわれています。
したがって、上半身肥満でとくに内臓脂肪型肥満の人は、肥満度が軽いうちから肥満対策が必要ということになります。
それでは、皮下脂肪型肥満の人の場合は、生活習慣病などの心配はないのかというと、一九九五年の国際肥満学会では、皮下脂肪型肥満でも安心することはできないということが報告されています。
というのは血糖を下げる働きをもつインスリンというホルモンの働きを下げる作用は、皮下脂肪の厚さが加わると一層加速されるからです。
ところで、上半身肥満あるいは内臓脂肪型肥満の特徴は、脂肪はつきやすいけれども痩せるときは真っ先にとれるのです。
つまり、ダイエットをすれば確実に効果が現れる肥満ですので、悩んでいないで早めにダイエットを実践するようにしましょう。
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