卵はコレステロールが多いから食べないほうがよい?
よく「卵はコレステロールが多いので全然食べないようにしています」などと、自分の血液のコレステロール値もはかったことがないのに、頭から毒物扱いにしている人がいらっしゃいます。
コレステロールという言葉はいまではすっかり世間一般に知られるようになりましたが、新聞やテレビ、雑誌などでは、この物質が人体になくてはならないものというプラス面は忘れて、動脈硬化や心筋梗塞などの要因の一つという、マイナス面ばかりをとり上げているようです。
もともとコレステロールは、人間の生命を維持し成長するためになくてはならない物質です。
人体は数え切れないほどたくさんの細胞からできていますが、その細胞を構成する細胞膜にコレステロールが含まれているのです。
細胞膜は細胞の生命活動になくてはならないもので、しかも毎目新しく作り変えられていますので、その材料としてコレステロールは必要欠くべからざるものというわけです。
コレステロールは、脳や神経組織、肝臓などに特に多く、全身では100〜120グラムぐらいあります。
種々のホルモンや胆汁酸などの原料としても使われます。
したがって、コレステロールが欠乏すれば当然いろいろな障害が起こります。
コレステロールは少ないほどよいという考えは、たいへんな誤解なのです。
卵は100グラム(約2個)の中に約460ミリグラムのコレステロールを含んでいて、食品のなかでは確かに多いほうなのですが、バランスのとれた食事のなかで適度に食べるのであれば、特に心配するほどのことはありません。
コレステロールは肝臓で自動的に調節しながら合成されているので、コレステロールの多い食品を食べたからといって、それがそのまま血液中のコレステロール値を上げるものではありません。
それでは一日に、卵何個ぐらいまででしたら、食べても影響ないものなのでしょうか。
それは、その人の年齢、運動量、体内でのコレステロールの代謝状態によって違ってきます。
国立栄養研究所の鈴木憤次郎氏らの研究結果によると、肉体活動の活発な健康な人では毎日3、4個、老人の場合は一日1個ぐらいなら、コレステロール値を上げる心配はないということです。
ただし、現在すでに血中コレステロール値が高くなっている人や、遺伝的にコレステロール値が上がりやすい体質を持った人の場合は、注意してとるようにしたほうがよいと思われます。
人間の健康と食事との関連のなかで卵という食品を考えてみると、コレステロールを心配する前に、これがすばらしい栄養食品であることを知らねばなりません。
前にも述べたように、卵は安価で、しかも栄養的に最もすぐれた食品の一つであり、手近に求められ、調理も簡単でしかも多様に活用できるのです。
こんなすばらしい食品はほかにありません。
昔は病人のお見舞いに卵がよく使われたものですが、これは、皆が卵の栄養的価値を認めていたからではなかったでしょうか。
リノール酸を含む植物油はコレステロール値を下げる働きをします。
また食品のなかには、コレステロール値が上がるのを防ぐ働きのある成分を多く含むものもあります。
ごまやくるみなどの種実類、大豆や大豆製品、野菜や果物、きのこ、海藻類などです。
これらの食品をじょうずに使って、バランスをよく考えて、この中で卵を適量とり入れていけば、コレステロール値を上げる心配もなく、おいしい食事を楽しむことができます。-----
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