女性には太りやすい時期がある
男性では脂肪の割合が二五%以上、女性では三〇%以上の人のことを肥満といいます。
女性のほうがなぜ五%も多いのでしょぅか。
男性と女性の体を比較してみると、女性のほうが丸みのある柔らかな曲線であることはだれでも認めることと思います。
実はこの女性らしいプロポーションをつくっているのが、脂肪なのです。
そのため普通でも男性よりも体脂肪の割合が多くなっています。
脂肪は美しさの敵! とばかりに、過剰なダイエットに走ると、女性特有の美しさまで失われてしまうのです。
また、乳房は脂肪でつくられていますから、ダイエットをやりすぎれば、当然胸も小さくなります。
減量もほどほどに、というところでしょうか。
そうはいっても、女性の痩身願望は根強いものがあります。
体重もBMIも標準値なのに、それでもなお「痩せたい」と願っている人がとても多いのです。
どうやら彼女たちが理想と考えているプロポーションは、スーパーモデルや、ミスコンテストの合格者のような八頭身(最近では九頭身?)の体型。
ところがこのような女性たちのBMIを測定してみると、かなり「痩せ」の範囲に分類されることがわかります。
この値の人は、標準値に比べれば、病気にもかかりやすく平均寿命も短いのです。
わざわざ不健康な体重値を目標とするのは、ばかげた話だと思うのですが……。
さて、痩せたいと願う女性の心理とは逆に、女性には一生のうちで三回、太りやすい時期があります。
一回目が、中学生から二〇歳ごろまでの思春期の頃。
このころから男女の体脂肪の割合に変化が見られるようになり、女性は脂肪を取り入れて、女性らしい体型になるのです。
変化はやがて成人になるころには収まるので、普通は心配することはありません。
ところが、この時期はちょうど受験などと重なります。
年齢に応じた摂食量や運動量があれば、何の問題もないのですが、勉強に追われて、食べ過ぎや運動不足になると、必要以上に太ってしまうことにもなるのです。
二回目が、妊娠・出産の時期。
妊娠中には、インスリンの分泌量が増えて、ホルモンの活動も盛んになり食欲が増進します。
これは胎児の発育にはなくてはならない現象です。
母体の代謝活動は活発なので、食べた分だけすぐ太るということもありません。
しかし、それでも食欲にまかせて自分の好きな甘い物や脂肪の多い物などを過剰にとれば、太ることは免れません。
出産後、こうした食生活が身についてしまい、もとの体重に戻れない女性が約三割もいるといわれています。
そして三回目が、更年期のとき。
卵巣ホルモンのなかには、食欲を抑制するエストロゲンという物質が存在しています。
閉経にともないこのホルモンが失われるため、食欲のコントロールが難しくなるといわれていますが、実際は中年以後、基礎代謝を中心とした消費エネルギーが減るのに食べる量が減らないのが主な原因です。
どの時期でも、摂食量と運動量をコントロールすることで肥満は防げます。
男性の場合にも、三〇代、四〇代になると中年太りといっておなかが目立つ人が多くなります。
こちらは食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、そして加齢にともなう基礎代謝量の低下などが原因です。
女性のように体の機能の変化のせいにするわけにはいきませんので、自己管理をしっかり行って、おなかを引っ込めるように努力することが必要です。
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