子供の肥満について
子供の肥満対策
最近は子供の肥満が問題になっています。
肥満児になったことは、子供自身には何の罪もありません。
おとなのように、自分で健康管理ができるものではないからです。
食事内容が昔と違って豊富になり、摂取エネルギーがふえてきているのにそれを消費するだけの運動が不足していることが、子供の肥満をふやしている一つの原因となっています。
肥満とは、体の脂肪組織が正常な人にくらべてふえている状態を言います。
これには二つのパターンがあります。
一つは脂肪細胞の中に脂肪がたまりすぎてそれぞれが大きくなることによって起こる肥満で、これを細胞増大型肥満と呼びます。
これは中年以降に起こる肥満に多く見られる型です。
もう一つは、譲脂肪細胞の数がふえるために起こるもので、細胞増加型と呼ばれています。
子供の肥満には、この二つのタイプがミックスしたものが多いのです。
つまり、脂肪細胞が大きくなっているばかりか、その数もふえているので、なかなか治しにくいタイプなのです。
ある調査によると、肥満児のうち50〜80%がおとなの肥満に移行し、また、おとなの肥満者のうち、30〜50%は子供のときすでに肥満児であったということです。
昭和三十年以後、日本経済の進歩とともに食生活も大いに変わりました。
昔にくらべてエネルギーとタンパク質の摂取は増大し、それに伴って子供たちの径も急激に向上しました。
ところが、体位は向上した半面、エネルギーのとりすぎにより肥満児が多くなってしまったという悪い面が出てきてしまいました。
いまでは中学生ともなれば男女とも親よりも大きい子供が珍しくないほど体格がよくなりました。
ところが体力は接に反比例して、持久力が劣っていたり、ここ一番いうときのふんばりがきかない子供が多くばなっています。
これは子供たちにも運動不足の害毒が襲ってきているからです。
新聞に、ある小学校の養護教諭がこんなことを書いていました。
「このごろ、つき指をする子供が多くなってきました。
ほとんどがボールを受けそこなったり、またはよけようとして指に当たってつき指したということで養護室に来ます。
私たちが子供のころはよくしもやけやひび割れができて痛い思いをしたものでしたが、これらはいまではほとんど見られなくなりました。
あのころのことを思い出すと、信じられないほどいまの子供たちの指はきゃしゃになり、掃除の時間にほうきが使えなかったりぞうきんがしばれなかったりする子供が多くなっています。
たくましく生きていくための手や足が、そして体が、だんだん弱くなってきているのです。これでいいのでしょうか」
小学生や中学生のこのころの生活は、学校が終えたあとは学習塾やおけいこごとなどに時間が費やされています。
日曜日になるとまた、有名中学や高校受験に備えての模擬テストを受けに行くなど、昔のように学校から帰ると暗くなるまで夢中で動きまわって遊ぶことなどめったにありません。
たまに早く帰ってきても、外で遊ぶよりも家でテレビゲームをするほうが好きという子がほとんどです。
また最近は、甘いものをほしがらない子供がふえてきていると言われています。
もともと甘いものは、体を激しく動かしたあとエネルギーを補給するためにほしくなるものです。
いまの子供たちは、甘いものがほしくないほどに運動しなくなっているのでしょう。
子供の肥満がふえてきている背景には、このような深刻な社会問題が横たわっていると思われます。
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