栄養療法は生活習慣病を予防し、抗老化を目指す代替医療
生活習慣病を予防し、抗老化を促す栄養療法は、1960年代後半からアメリカで急速に広がってきた代替医療です。
この代替医療が広がってきた背景にはいくつがの理由があります。
アメリカでは、1960年代に起きた反ベトナム戦争、工業社会、公害に対する問題提示の風潮の中で、食生活についても「自然」が大切な要素であることに注目が集まりました。
1994年に「栄養補助食品健康教育法案(DSHEA)と呼ばれる健康補助食品に関する法案が成立した後、サプリメントが人々に認知され、より広く普及していくようになっていきました。
当時、アメリカでは生活習慣病が増大し、栄養補助食品により積極的な病気の予防・改善効果を求める潮流が起きていたのです。
アメリカ政府は「年々膨張する国民医療費を抑えたい」という強い意向もあり、DSHEA法案成立によって、サプリメントを「食品」と「医薬品」の中間的存在であると位置づけました。
このことにより、サプリメントは明確に定義され、健康に寄与するという科学的論拠が明確にされれば、製品のラベルにその効果・効能を記載することが可能となりました。
このDSHEA法により、サプリメントは「ハーブ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養成分を1種類以上含む栄養補給のための製品」として明確に定義され、形状は錠剤(タブレット)やカプセル、パウダー状、ソフトカプセル、液状など、通常の食べ物の形以外のものとされています。
つまり、サプリメントは医薬品と食品の問に存在する別の栄養補助食品として明確に定義がなされているのです。
アメリカでサプリメントが普及していった理由として、同国の保険制度に触れないわけにはいきません。
アメリカには日本のように国による保険制度が存在せず、民間の保険会社が国民の健康を運営管理しています。
ところが、この保険加入料が高額のため、アメリカ国民の20〜30%は保険に加入していないと言わています。
そのため、万が一、病気になった場合は高額な医療費がかがります。
アメリカ国民のうち約4000万人が肥満で、20〜74歳の3分の1が肥満という報告もあります。
アメリカ人の食事は高脂肪食が中心で、心臓病や肥満など生活習慣病が年々増加していますが、アメリカは先進国の中で医療費がもっとも高いため、「病気になる前に、健康は自らで守る」という意識が一般の人々の問で定着しています。
1970年代後半から80年代にかけて、アメリカでは栄養のバランスのとれた食事が健康管理に重要であることが認識され、より健康的な食品への関心が高まりましたが、食事から摂取できるビタミンやミネラルの摂取量には限りがあることも多くの人が認めるところとなりました。
そこで、人々は少しでも医療費を抑える − つまり病気にならないようにする考え方が根づき、その結果、予防医学や栄養学、サプリメントの摂取が発展していったのです。
また、第2次世界大戦後に生まれたベビーブーマーが高齢化してきたこともサプリメント普及の要因となりました。
日本で言うところのいわゆる団塊の世代の人たちは、高度経済成長とともに育ち、物の大量消費や食品添加物の大量摂取、飽食を当然とした食生活を送ってきました。
そして60歳に達しようとしている現在、これらのことを反省し、健康を取り戻そうとサプリメントの効果・効能に強い期待を寄せています。
その結果、アメリカにおけるビタミン剤や栄養補助食品市場は急成長を遂げることになりました。
こうして1960年代の後半からアメリカは国を挙げて国民の栄養状態の改善に努めようという動きが起きました。
このことは、栄養療法という考え方を普及し、サプリメントの摂取を増やすことにつながっていったのです。
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