「汗をかけば痩せる」の誤解
顔痩せグッズがはやっているがどう思うか、と、最近聞かれました。
スーパーモデルなどが話題になるなかで、顔の小さなことが美人の条件になってきたらしいのです。
いったいどういうグッズなのか資料を見せてもらったところ、透明のビニールで顔を覆う帽子や、目・鼻・口の部分だけが開いたマスクなど、不気味というかユニークな商品が並んでいました。
いろいろ種類はあるものの発想はだいたい同じです。
顔から汗を出して、顔痩せしようということのようです。
ダイエットに関する勘違いのなかで、もっとも大きな勘違い、
それが汗をかけば痩せるというものだと思います。
先日もクルマで移動中にラジオ番組を聞いていたところ、パーソナリティの女性が
「ダイエットのコツはサウナに行くこと。
そしておもいっきり汗をかいたら、決して水は飲まない。これが秘訣です」
なんてことを平気で話していました。
もしこれを実践し続ければ、脱水症状で倒れるが、そうならないまでもかなりのダメージを心身に受けて病気にかかってしまうことでしょう。
無責任な発言だなと思って聞いていました。
腎臓や心臓の病気があるとき水を飲みすぎると、水はからだにたまってむくみを示すことがあります。
これは脂肪が増えたのではなく、水が増えたための体重増加です。
結局人間は、水をいくら飲んでも太りません。
余分な水分はすぐ体外へ排出されるからです。
逆に、いくら汗をかいても痩せません。
たしかに、汗をかいた後は体重計の針は小さな値をさします。
それは当然のことなのです。
人の体の約60%は水分ですから。
体重60kgの人ならば、約36kgは水分だと考えていいわけです。
汗をかいて水を飲むのを我慢すれば、たちどころに体重は減ってみえるでしょう。
しかしいくら汗をかいても、細胞のなかから水分が抜けただけの話であり、体脂肪の燃焼にはなんの影響も与えていません。
たんに体が干からびただけのこと。
水を飲めばたちまち細胞はもとに戻り、体重ももとに戻ります。
それでは水を飲まなければどうなるのかというと、細胞はまともな生理作用ができなくなります。
健康を損ない、老化は早く進み、美容も台無し、ひどい場合は死という結果が待っています。
水分補給を我慢してまで体重を減らす必要があるのは、計量を直前に控えたボクシング選手くらいのものでしょう。
彼らだって、計量後はおもいきり飲み食いするのです。
顔痩せも同じことです。
顔からいくら汗をかいたところで、水分が抜けるだけで痩せることはありません。
私は汗をかくことすべてが意味がないといっているわけではありません。
汗をかくほど運動すれば、体脂肪も燃焼されるはずですから、これは素晴らしいダイエットです。
サウナで寝転んで、ただ汗を流しているのとは大違いです。
果報は寝て待て……、とはいかないのがダイエットの宿命です。
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