「痩せる化粧品」は効果がない
新しいダイエット方法が繰り返し繰り返し、手を替え品を替えて登場します。
その宣伝によく使われるのが「〜するだけで簡単に」というコピーではないでしょうか。
つい最近、一大ブームを引き起こしたのが「毎日使うだけで簡単に痩せられる石鹸」でした。
中国製の海草の入った石鹸で、ニセモノ、ホンモノが各種登場して大変な騒ぎになっていました。
もし、石鹸で洗うだけでほんとうに痩せることができるのなら、これは実に簡単な痩せ方です。
その手軽なところがうけてこれだけヒットしたのだと思います。
また、「スーパーモデルも愛用している××の化粧品」など塗るだけで痩せる化粧品も、あいかわらず人気があるようです。
しかし残念なことに、石鹸や化粧品などで痩せることは科学的に不可能です。
塗るだけ擦り込むだけで、体内の脂肪を確実に減らすような物質はこの世に存在していないからです。
もちろん、こうした説明に反論する人もいると思います。
ある大学では痩せる石鹸を学生に半年間ほど使わせたところ「実際に痩せた。だからこの石鹸は効果があるのだ」と結論づけていました。
いったいどんな実験をしたのかと思ったら、定期的に被験者となった女子学生の皮下脂肪をキャリバーで測り、そのデータを記録したのだそうです。
なるほど、これなら痩せるはずです。
20歳前後の女の子が、毎週、脂肪の厚さを人前で測られて、他人と比較されているわけです。
石鹸なんか使わなくでも、このことだけで十分痩せる動機づけになるでしょう。
知らず知らずのうちに、食事を制限し、間食を我慢し、運動量も増えていたはずです。
普通の石鹸を使用していても、同じ結果がでていたと思います。
このような「塗るだけの商品」「洗うだけの商品」には、たいてい二通りのまやかしの理屈がついています。
一つが「皮膚から浸透して脂肪を分解する」。
たとえばカラコラミンという化学物質には、体脂肪を分解する働きがあります。
しかしその分解量はごくごくわずかなもので、ダイエットに役立つようなものではありません。
これは心臓の働きを高める作用もありますので、役立つ量を使用しようとすれば、脂肪が減る前に心臓が空回りして心不全になってしまいます。
それでも万に一つ、ダイエット石鹸に体にしみこんで脂肪を分解する働きがあったとしましょう。
とけた脂肪はどこへ行くのかというと、血液に流れ込みます。
そして、体をぐるっと回って再び脂肪細胞に取り込まれるのです。
つまり脂肪は燃焼させない限り、体の外へ排出されることはないのです。
もう一つのまやかしの理屈が「血行を促進して体の新陳代謝を高め、脂肪を燃焼しやすくする」。
ところがこのくらいの新陳代謝の促進では、やはり脂肪は燃焼されないので減ることはありません。
もし石鹸や化粧品になんらかの痩せ効果を期待するとすれば、たるんでいた皮膚に張りを与えて一時的にしまった感じにするといった程度のものなのです。
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