糖質も一日最低100g必要
糖質という言葉からはすぐに「砂糖」を連想しがちですが、糖質は米や麦などの穀物類に多く含まれている栄養素です。
アメリカの学者の中には「肥満の原因は脂肪の取り過ぎであり、糖質は太らない」と本気で主張している人もいますが、
糖質の取り過ぎが肥満の一因であることは、脂肪摂取率がアメリカよりかなり低い日本でも肥満が増えていることから歴然とした事実なのです。
おそらく、脂肪摂取量の多い欧米型肥満ばかり見ているうちに、このような間違った認識をもつようになったのでしょう。
ところで、糖質を取り過ぎる人のなかには、明らかに主食を食べ過ぎている人がいます。
ご飯、パン、もち、そば、うどん、スパゲティ……、これらは皆、糖質食品です。
私たち日本人は、一口の摂取カロリーの60%を、糖質から摂取しているといわれています。
穀物の好きな民族なのです。
したがって、ダイエットを考える場合にも、まず糖質の摂取量を制限すれば、効率のよいカロリー制限を行うことができます。
そこで、「ご飯さえ食べなければダイエットになる」と固く信じている人もいますが、これは正しい知識ではありません。
糖質は米穀物類だけではなく、いも類、トマトのような野菜類、豆類にも含まれているのです。
また、果物も糖質の多い食品です。
アルコールも糖質の仲間。砂糖やハチミツなども、もちろん糖質です。
「ご飯を一粒も食べないのにちっとも痩せない」と訴える肥満の患者さんに詳しく話を聞くと、たいていの場合、糖質の多いアルコールやスナック類を多くとっているか、トマトや果物をカロリーのない食品と信じて、ご飯のかわりに食べていることが多いのです。
ダイエットで隠れた失敗の原因となるのは、女性は果物、男性はアルコールの取り過ぎです。
しかし、だからといって糖質をまったくとらないでいると、非常に深刻な障害が発生することになります。
糖質は体の中で分解されて、最後の基本単位であるブドウ糖になります。
このブドウ糖が、体の組織でエネルギーとして利用され、体組織の生命と活動を支えています。
血中にあるブドウ糖を血糖といいますが、この量が少なすざると低血糖という病気になってしまうのです(逆に血糖が多過ぎれば糖尿病になるわけです)。
常に一定レベルの血糖を維持しておく必要があります。
とくに、脳は特殊な組織であり、ブドウ糖しかエネルギーとして使用することが出来ません。
ほかの体の組織のように、遊離脂肪酸などをエネルギー源として活動することができないのです。
そのため、40ミリグラム以下の低血糖状態が2時間も続くと、脳組織が障害されて植物人間になったり死亡したりすることになるのです。
ブドウ糖は、体の中でタンパク質や脂肪からも作り出すことができますが、血糖レベルを常にスムーズに一定に保っておくためには、一日に最低100gの糖質を摂取する必要があります。
この量は、おおむねご飯なら一杯、パンなら6枚切りの食パンで一枚分に相当します。
結局「糖質を一切とらない」といった偏ったダイエット方法では、健康を害することになるのです。
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