老化のメカニズムを知る
老化を医学的に定義すると、「成熟期以後、加齢とともに各蔵器の機能あるいはそれらを統合する機能が低下し、団体の恒常性を維持することが不可能となり、ついには死に至る過程」となります。
つまり、人が成熟した後は、年齢を重ねるとともに体内の環境を一定の状態に保つことができなくなり、衰えていくということです。
ひと口に老化といってもそのメカニズムは複雑で、またさまざまな原因があるようです。
一般的には次のようないくつかの老化学説が唱えられています。
活性酸素説
体内に取り入れられた酸素は多彩射ヒ学合成が行いますが、そうした化学反応の過程で、電子を1つ(通常は2個)しかもたない活性酸素が生じてしまいます。
電子を1つしかもたない活性酸素は化学的に極めて不安定で、他の安定した物質から強引に酸素を奪ってしまいます。
このように酸素が他の物質から電子を奪うことを「酸化」といいますが、活性酸素が細胞の脂質から電子を奪うと、奪われた脂質は過酸化脂質となって細胞を老化させるばかりが、動脈硬化や心筋梗塞の引き金になるなど、体にさまざまな悪影響を及ぼし、細胞機能を低下させ老化を引き起こすという説です。
プログラム説
老化はあらかじめ遺伝子にプログラムされていて、寿命も遺伝子によリコントロールされているという説です。
エラー説
DNA、RNA、たんぱく質は突然変異や化学修飾により本来とは違った配列になることがあり、こうした変異(エラー)が蓄積して細胞の機能が正常に働かなくなったり老化していくという説です
クロスリンキング説
コラーゲンなどの物質は異なった複数の高分子と結合して新しい高分子をつくります(クロスリンクする)。
このような物質は分解されにくく、細胞障害を起こしている可能性があり、これにより老化が進行していくとする説です。
免疫異常説
加齢に伴い免疫機能を担当する細胞の機能が低下し、自己の体の成分に対して抗体を形成することが増えます。
その結果、体の一部を外敵と見なして攻撃して老化が起こるという説。
しかしながら、自己免疫疾患の多い女性のほうが男性より長生きでするところから、その説の矛盾が指摘されています。
代謝調節説
細胞の代謝速度が、細胞分裂速度に影響して老化や寿命を支配するという説。
代謝の高い動物ほど短命で、代謝の低い動物ほど長命という傾向があるようです。
※代謝とは栄養物質を摂取し、自体を構成したりエネルギー源とし、不必要な生成物を排出するといった物質の変動のこと。
このように老化のメカニズムに関してはさまざまな学説がありますが、現段階でははっきりしたことは判明していません。
いずれにしろ、遺伝的な要因や環境的な要因が複合的に作用し、人体に障害を及ぼし、老化を引き起こしていると考えるのが一般的です。
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