肥満はガンの引き金
太っていることと、ガンとは一見なんの関係もないような気がします。
でも、肥満がある種のガンを誘発することが、だんだん明らかになってきています。
肥満になると発症が高くなるのは、子宮ガン、乳ガン、前立腺ガン、大腸ガンなどです。
子宮ガン、乳ガンは女性特有のガンです。
実は脂肪細胞には、男性ホルモンのアンドロゲンを女性ホルモンのエストロゲンに変える働きがあります。
肥満になっている女性は、脂肪細胞から放出されるエストロゲンの刺激を、子宮内膜や乳腺に受け続けることになり、それがガン化に結び付くのだと考えられています。
一方、男性に特有な前立腺ガンは、詳しい仕組みはわかっていません。
ただし、肥満者は正常体重者に比べて2.5倍もこのガンにかかりやすく、肥満者のなかでも動物性食品を多量に食べる傾向がある人は3.6倍の確率でかかりやすいことが報告されています。
大腸ガンも、食べ物と深い関わりがあります。
最近まで、日本人には胃ガンが多く、大腸ガンは少ないといわれていました。
ところが食べ物の欧米化によって、大腸ガンになる人が急増しています。
大腸ガンの発生が、食べ物と関係があることは、ハワイに移住した日系人を調査した結果でも明らかにされました。
彼らが結腸ガンにかかって死亡する比率は、日本在住者の2.5倍にもなり、アメリカ人の発生率に近くなっていることがわかったのです。
それでは、肥満と大腸がんとの因果関係はどうなっているのでしょうか。
肥満者では脂肪摂取が多くなり、そのために胆汁排出が増加します。
この増加した胆汁が変性して大腸の粘膜細胞を刺激して、ガンへと導くのではないかと考えられているのです。
大腸ガンは肥満している人のなかでも、とくに運動不足傾向の人に顕著にみられる病気です。
運動することで大腸の働きが活発化し、腸のなかの老廃物をすみやかに出すため、大腸ガンを防いでいるのではないかと考えられています。
いずれにせよ、肥満を治すこと、脂肪を摂りすぎないことと運動量を増やすことが、このガンを防ぐうえで有効であることは間違いありません。
肥満といろいろな病気との関連についてお話ししてきましたが、肥満が急激にさまざまな病気をもたらすようになるのは、肥満度が30%を超えたあたりからの話です。
多少太り気味だからといって、それがすぐ病気に結び付くわけではありません。
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