脂肪の摂取量は少なめにする
平成2年度の国民栄養調査結果によると、成人一人あたりのカロリー摂取量は平均2026キロカロリーで、30年前とほとんど変化していません。
ところが、脂肪の摂取量は30年前の約15%に比べて約25%と、10%も増えていることがわかりました。
肉類などの欧米型の食生活の定着が、その原因のようです。
脂肪の摂取量が増えるのと平行して、肥満者の数もこの30年間で3倍にも達しています。
なぜ、カロリー摂取量は変わらないのに、脂肪をたくさんとるようになると肥満者の数も増えるのでしょうか。
摂取したカロリーのうち、消費されなかったカロリーは体の中で脂肪へと置き換えられ、貯蔵エネルギーとして蓄えられます。
カロリーを持つ三大栄養素のどれもが、これは同じことです。
でもタンパク質や糖質が体の中で脂肪へと転換されるためには、エネルギーが必要です。
ところが、脂肪はそのまま直接脂肪として蓄えることができるため、転換のためのエネルギーを必要としません。
したがってほかの栄養素に比べて、蓄積される効率が高くなるのです。
食べ物の脂肪、そのまま体脂肪。
というわけで、一時、民間療法に「脂肪抜きダイエット」というものがありました。
食材からも、調味料からも、脂肪分を含むものを徹底的に排除して痩せようという治療法です。
脂肪を完全な「悪物」として位置付けています。
体に存在する脂肪には、中性脂肪、コレステロール、リン脂質があります。
中性脂肪は体に丸みを与えたり、内臓などの器官のクッションの役目をしています。
コレステロールは、体のすべての細胞膜や副腎ホルモンの材料です。
リン脂質は脳細胞の構成成分です。
このような有益な体内の脂肪を維持するには、やはりある程度の脂肪の摂取が不可欠です。
また、脂肪を完全にシャットアウトしてしまうと、皮膚の光沢を保ったり、動脈硬化を防いだり、体の組織成分ともなる「必須脂肪酸」をとることができなくなります。
さらに、脂肪と一緒に腸から吸収される脂溶性ビタミンも不足するようになります。
脂溶性ビタミンには、暗い所での視力を保つビタミンA、骨をつくるカルシウムの吸収を助けるビタミンD、正常な皮膚を保つのに大切なビタミンEなどがあります。
つまり、脂肪を完全に抜くダイエットも、やはり健康を損なうものなのです。
脂肪(脂質)は、油類、乳製品、肉や魚の脂身などに多く含まれています。
脂溶性ビタミンの必要量の確保のためには、一日20gの脂肪の摂取が必要です。
ダイエットのためには、脂肪をまったく避けるのではなく、摂取量を少なめにすることが望ましいのです。
国民栄養調査で示されている成人一人あたりの平均のエネルギー源の割合は、糖質60%、タンパク質15%、脂肪25%でした。
ダイエット中は、これを糖質60%、タンパク質25%、脂肪15%にし、タンパク質と脂肪の摂取量を逆にすることが、好ましい栄養配分といえます。
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