認知症の前触れにご注意
5分から長くとも24時間以内に治ってしまう一過性脳虚血発作という病気があります。
この病気は同じ側の上肢と下肢にしびれや脱力、あるいはマヒ、言葉のもつれなどの症状を引き起こしますが、すぐに回復することが多いので、それほど重大な病気と考える人が少ないようです。
しかしながら、こうした症状を繰り返していると、最終的には脳硬寒を引き起こし、その集積は痴呆につながります。
一過性脳虚血発作は、日本人に多い脳血管性痴呆の原因となっていることが実に多いのです。
一過性脳虚血発作ならずとも、上肢や下肢のしびれや脱力、あるいはマヒ、言葉のもつれなどの症状を自覚したら、「脳血管認知症」の予兆と考えられます。
実は、疾病として診断されるほど症状が進行する前に、すでに脳において将来を予想させる「微少変化」が起こっていることがわかってきました。
2〜3ミリ程度の硬塞を「微少硬塞」と呼びますがこの程度の硬塞が大脳に散在していても顕著な症状は現われません。
「微少硬塞」は30歳代ででき始める人もいますが、50歳代を過きた人だと男性10%、女性3%、60歳代では男性25%、女性10%で、70歳を過ぎると男性に変化はありませんが、女性の割合は20〜25%に上昇します。
そして、60歳を過ぎると5人に1人が、70歳過ぎでは4人に1人が「微少硬塞」の持ち主であるという報告もあります。
「近頃、忘れっぽくなった」「言葉が発音しにくくなった」「なんとなく手足がしびれる」「頭が重い」などの不定愁訴的な症状を訴える、ある年齢以上の人は、脳内に「微少硬塞」が散在していると居って間違いないでしょう。
齢を重ねるということは、さまざまな経験を重ねることでもあります。
結婚、離婚、子供の独立、転勤・転職や昇格・左遷、定年退職、近親者との離別・死別など、自分の意に沿わないこともたくさんあります。
いわゆるさまざまな損失体験の積み重ねにともなって、視力の低下や体力の衰え、内臓の機能の衰えなどが、高齢者特有の種々の症状の原因にもなっていることを考慮しておかなければなりません。
微少脳塞の兆候を感じている人は意射こ豹、かもしれません。
「近頃、忘れっぽくなった」 − つまりは記憶力が衰えてきているわけですが、記憶の保持は脳にある海馬が中心となり、記憶を引き出すには肩桃核が中心となっています。
しかしながら微少硬塞が海馬に出現すると、認知症への一つの引き金になってしまいます。
つい最近の出来事を忘れてしまったり、電話番号や人の名前を忘れっぽくなって「少しおかしいな」と感じたら要注意です。
わずかな間に認知症状が急速に進行してしまうことがあります。
女性の場合には電話番号や名前を覚えるといった記憶力より、むしろ料理、洗濯をする、自転車でお買い物をするといった日常生活に関わる行動に支障をきたすようであれば、脳の海馬に微少硬塞が出現している可能性があります。
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