酒を飲むときの食事
ギリシャの哲学者アナカルシスは、「酒の一杯は健康のため、二杯は快楽のため、三杯は放縦のため、四杯は狂気のため」と言っています。
まったくアルコールも一杯二杯はよいのですが、三杯四杯からそれ以上になると、害のことを考をればなりません。
世に「酒は百薬の長」とも言われますが、お酒は飲み方しだいでプラスにもなりマィナスにもなるということを、しっかり認識してください。
「百薬の長」と言われるのは、言うまでもなく少量飲む場合に限られます。
できれば少々気持ちがよくなるくらいで抑えておきたいものですが、では、ほろ酔い状態になる程度のアルコール量はというと、これが非常に個人差があり、またそのときどきの体調などが影響して一定ではありません。
適度の酒は胃の粘膜を適当に刺激して胃液の分泌を盛んにし、食欲を促します。
夏の暑い盛りなど食欲のわかないときに、冷たいビールを一杯飲んだだけで、俄然食欲が出てくるものです。
また、適度の飲酒は血管を拡張して、血行をよくするという効果もあります。
お酒は自分に適した量を、時間をかけてゆっくり飲むようにしたいものです。
こういう飲み方なら体内でのアルコールの分解もスムーズになり、したがって害も少なく、もとより二日酔いに陥ることなどありません。
「駆けつけ三杯」という言葉がありますが、すきっ腹に急ピッチで飲むのは第一に悪酔いのもとであり、肝臓でのアルコールの分解が追いつかないので、肝臓をいためてしまうことになります。
酒の魚のチェックポイント
古来お酒が悪者とされる原因として、酒ばかり飲んでタンパク質やビタミンを十分とらないために栄養失調をきたし、そのために肝臓をおかされるということがあります。
ですから食べながら飲むという飲み方がベターなわけですが、これは食べながら飲むことによってアルコールの刺激がやわらげられ、体内での分解の能力が高められるからです。
一杯やるときは、チーズ、焼きとり、焼き肉、焼き魚、刺し身、冷ややっこなどのタンパク質食品や、生野菜、青菜の浸し物、油いため、酢の物などのビタミンをいっしょにとるようにしましょう。
よく市販のポテトチップとか揚げせんべい、脂肪分の多い魚の干物などを酒のさかなにすることがありますが、こういうときは油脂類の鮮度が落ちていないか、酸化酸敗していないか、よく調べてから食べてください。
飲んだあとでインスタントラーメンなどを食べる人もいますが、これも古い商品は油脂が変敗していることがありますので気をつけてください。
油脂の酸化酸敗は胃腸や肝臓のためによくありません。
一般に酒のさかなは味つけの濃いものが少なくないようです。
日本人は塩分のとりすぎから高血圧、胃腸病、心臓病などを誘発し、あるいは克進させてしまうケースが多いので、塩からいつまみはできるだけ控えるようにし、薄味のものをとるように心がけるべきです。
食べながら飲むという方法は飲むだけよりもはるかによいのですが、すぎたるは及ばざるがごとしで、十分な栄養をとったうえに大量のアルコールを飲むというのはまったく感心しません。
こういう飲み方をつづけていると、脂肪肝やアルコール性肝炎を誘発してしまうからです。
アメリカのリーバー博士は、ヒヒに餌の総カロリーの半分をアルコールで与えるという実験を行いました。
ヒヒは人間と同じように酔っぱらい、この方法を長くつづけたあとでアルコールの投与を中止したところ、慢性アルコール中毒症に見られる禁断症状を起こしたということです。
このヒヒは脂肪肝を起こし、16匹のうち5匹はアルコール性肝炎になり、さらに2〜4年の間に六匹が肝硬変を起こしました。
必要な栄養素を満たしたうえにさらにアルコールを大量に飲めば、エネルギーがオーバーの状態となり、この実験で立証されたように肝臓にとりかえしのつかない変調をきたすばかりではなく、肥満や糖尿病を誘発することにもなります。
ですからじょうずなお酒の飲み方は、
- 1.空腹時に飲まないこと。
- 2.チーズ、肉、魚、野菜など、適当なつま みをとりながら飲むこと。
- 3.日分の酒量の限界を知っておくこと。
- 4.飲みすぎと悪酔いを避けるためにゆつくり飲むこと。
要は酒に飲まれないことです。
毎日飲むとアルコール中毒に陥りやすいので、一週間に一、二日は酒抜きの日を作ることも必要です。
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