三食の食事で生活のリズムを作る
好ましくない生活習慣は、どんどん連鎖して悪循環をつくり出していきますので、食事だけ、あるいは睡眠の習慣だけが乱れているといったことはまずありません。
しかし逆に言えば、何か一つの習慣を正しいリズムに戻すことができれば、他の習慣が改善され、生活すべてを好転させることも不可能ではないのです。
よくも悪くも生活のリズムを最も強く左右する力があるのは、なんといっても食習慣です。
ですから健康な生活のためにたいせつなことは、一目三回の食事をきめた時刻にとるということです。
仕事や遊びを優先して、食事は後回しという生活習慣は、家庭や安らぎ、そしてなにより健康を軽く見ているといっても過言ではないでしょう。
時間になったら食卓につき、同席した人と会話を楽しみ、ゆったりと時間をかけて食事をとる…、これが日々の習慣になれば、おのずと起床や就寝の時間もきまってきますし、間食を必要とする度合いも減り、もちろん必要な栄養素もきちんととれます。
楽しく、リラックスした気分でとる食事は、仕事などの緊張を解くのにも大きな効果があります。それが一日三回あれば、それほどストレスをためなくてすむのです。
ストレス解消ということに関して言えば、食べる喜びだけでなく、自分で作った料理やお菓子、自分で作ったり入れたりした飲み物を人に供するときの楽しさや喜びというものも大きな効果があります。
この場合のお料理やお菓子、飲み物は、それ自体が人と人とを結びつけるコミュニケーションの媒体(メディア)としての役割も持っています。
家庭での食事なら、家族の喜ぶ顔が作り手にとっても大きな喜びになりますし、お客様を招いた場合は、お出ししたものを「おいしい」とほめていただき、「作り方を教えて?」と尋ねられれば、その後の交際にもはずみがつきます。
そこからは、言葉のやりとりにとどまらず、実際にそれを作ってみせたりというような、直接的な交流に発展することが多いようです。
また、一度でも料理を作った経験があると、外食の料理や調理ずみ食品を食べるときなどにも、どんな材料がどれくらい使われているかがわかりますから、健康のためにも役立ちます。
これからの食生活は、塩分量や脂肪の量、そして全体のエネルギー量に無関心ではいられません。
ですから、人の作った食事の内容を把握する能力は、ぜひ養っておきたいものです。
食事の本来の目的
一日にきちんと三食とることは、食事の本来の目的である栄養補給の面でも重要です。
一日に必要な栄養素をとるための食事法を実践するには、どうしても三回の食事が必要なのです。
二回では、一日に必要な食品、特に野菜や大豆製品、いもなどはとりにくくなります。
今日では、自分で食事をいっさい作らなくても、外食を利用したり、持ち帰り弁当を買ってきたり、宅配サービスの食事を注文したりすれば、なんとか生活していくことができます。
また都会ではコンビニエンスストアが普及していますから、真夜中でも早朝でも、食べたいものをいつでも食べられるように思ってしまいます。
そのためでしょうか、最近若い人たちの食事へのこだわりがなくなってきているように感じられます。
一度や二度、食事をとりそこなっても、あとでなんとかなるという安心感があるのでしょう。
しかし、その結果、食事の回数をきめておかないと、何をどれだけ食べたかがカウントしにくくなります。
エネルギーばかりをとって必要な栄養素はとれていない、ということにもなりかねません。
便利さと豊かさは、かならずしもいっしょに得られるものではありません。
「必要なものは買えば何でも間に合う」という便利優先主義は、けっして豊かさを保証するものではないことを頭に入れておくようにします。
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