食塩の摂り方
食塩は、人体の血液や体液中に一定の濃度で含まれています。
それによって、毛細血管から組織への体液の移動とか、細胞の間の各種物質の吸収と排出などが順調に行われます。
このように、食塩は体を維持するために重要な役割を果たしています。
体が必要とする食塩は食物中からとり入れられます。
したがって、食物中に適量の食塩が含まれることは必要ではありますが、それが過剰になるといろいろな障害のもとになります。
従来、日本人の多くは、欧米人にくらべて食塩の摂取量が多すぎるようです。
欧米人の一日平均摂取量がひとり5〜7グラムに対して、日本人はそのおよそ二倍の22グラムになっています。
日本人の食塩摂取量が多い理由はいろいろありますが、その一つは、特に米ばかりとれる地方では塩からいみそ汁と漬け物だけでごはんをたくさん食べ、それが長い間つづくことによって人々の味覚が塩味に偏り、そのような食事が習慣化してしまったことがあげられます。
次に、米飯を中心とした和食献立には、食塩が多く使われていることが考えられます。
たとえば、朝食の標準的な洋食と和食の献立について食塩の使用量を比較してみると、洋食のおよそ二グラムに対して、和食は五グラムにもなると言われています。
また、日本料理の多くの煮物やすき焼きのような料理では、砂糖やみりんの甘みとしょうゆの塩味がちょうどよくつり合ってこそおいしくなるものです。
欧米では菓子以外のほとんどの料理には砂糖を使いません。
それに対して日本料理は廿からく昧つけすることが多く、それが食塩の使用量を多くする一因になっていると思われます。
すしのしゃりやたねにも塩を使います。
また、食品の保存のためにも食塩が多く使われています。
漬け物やつくだ煮、魚の干物、かまぼこ、ちくわ、ハム、ソーセージなど、魚や肉の加工品に食塩は多く使われています。
このように多くの食品に食塩が含まれており、さらに調理にも多く使われるため、食事全体の総計としてはかなりの量を摂取するという結果になりやすいのです。
こうして食塩をとりすぎていると、長い間には高血圧となり、それがもとで動脈硬化、脳卒中などを起こしやすくしてしまうのです。
次に、食塩のとりすぎを抑えるための注意事項を述べましょう。
まず、一日三食ともごはんにしないで、一食はパンにするようにします。
そうすればおかずにあまり塩を使わないですみます。
次に、ごはんを主、おかずを従、という考え方を改めて、まずおかずの肉、魚、豆腐、野菜などの必要量を確保し、そのあとごはんを補うというように、おかずが主で、ごはんを従とする考え方で食べるようにします。
こうすれば栄養のバランスがとれるばかりでなく、薄味のおかずが口に合うようになり、食塩の摂取量を減らすことができます。
また、すしやめん類は、つけじょうゆやたれで特に塩分を多くとることになりやすいので注意します。
うどんやそばのかけは汁を残すようにするとか、にぎりずしは、しょうゆをしゃりにつけないで、たねに少しつけて食べるようにするとよいでしょう。
また、このような食べ物はあまり頻繁に食べないようにしましょう。
塩分の濃い食べ物をとりつづけてきた人は、濃い味がその人の「おいしい昧」になってしまいます。
このようにしていったん鈍感になった舌に、いきなり薄味の料理を与えれば、「こんな味のないものは食べられない」と感じさせてしまいます。
段階を踏んで、少しずつ薄味に慣れさせていくことがたいせつです。
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