高脂血症の人の食事
高脂血症というのは、血液中に主にコレステロールやトリグリセライドなどの脂質が増加している状態です。
トリグリセライドは中性脂肪とも呼ばれています。
高脂血症そのものには、まったく症状がないのですが、この状態が長くつづくといろいろな症状が出現してきます。
最も問題となるのは動脈硬化症です。
高脂血症のために起こる動脈硬化症は、比較的太い動脈に起こってくる粥状動脈硬化症で、心臓に影響を与える冠動脈や脳低動脈、頚動脈、大動脈、腎動脈などに起こりやすくなります。
動脈硬化は初期のころは症状が出ませんが、ある程度進むと血行障害による症状が出て、ついには狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、大動脈癌などが発症してきます。
動脈硬化を促進させる因子としては、高脂血症以外にも高血圧、肥満、糖尿病などがありますが、これらの病気を改善して、その促進を抑える食事をしましょう。
食生活の欧米化が狭心症や心筋梗塞の発症を多くしていると言われて久しいですが、現在も日本人の総摂取エネルギーに占める動物性脂肪の割合は、望ましい範囲を超えて上昇をつづけています。
動脈硬化の原因となるコレステロールをとりすぎないためには、まずこういった食生活の改善が必要になります。
コレステロール値を下げる食事のポイント
エネルギーのとりすぎは、脂肪の過剰摂取を招き、肥満の原因になります。
コレステロールには動脈硬化を促進するLDL(悪玉)コレステロールと、逆に動脈硬化の促進を抑えるHDL(善玉)コレステロールがありますが、肥満が生じるとLDLコレステロールと中性脂肪の合成が高まり、HDLコレステロールが低下するリスクもあります。
摂取エネルギーが必要エネルギーをオーバーすると肥満が起きますので、一日に必要なエネルギー量を把握しましょう。
標準体重(kg)×標準体重1キログラム当たり必要なエネルギー(キロカロリー)が一日に必要なエネルギー量の目安です。
標準体重は、BMI(ボディマスインデックス)による算出法が一般的で、
身長(m)×身長(m)×22で計算します。
この標準体重に、軽い活動量の人は30〜35キロカロリー、
中等度の活動量の人で35〜40キロカロリー、
やや重い活動量の人で40〜45キロカロリー
を掛けたものが、一日の必要なエネルギー量となります。
一日に必要な熱量のなかで、栄養素のバランスを考えてとるようにすれば、ある程度のコレステロール値や中性脂肪を是正することができます。
ごはんやパン、めんなどの穀類や甘いもの、アルコール飲料のとりすぎが原因で皮下脂肪や血液中の中性脂肪がふえるのです。
「バランスのとれた食事」を参考に、毎日、何をどのくらいとったらよいかをしっかり身につけるようにしましょう。
動物性脂肪と植物性脂肪をバランスよくとる
脂肪は、脂肪酸がいくつも集まって作られていますが、脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の二つの種類があります。
飽和脂肪酸は、常温で固体となる性質があり、動物性脂肪にそ含まれており、血液中のコレステロール値を上昇させる作用を持っています。
肉類のあぶら身やバター、ラード、生クリームなどが代泰的なものです。
不飽和脂肪酸は、常温でも冷蔵庫内でも液状をロ王し、植物油(サラダ油、オリーブ油など)や魚類のあぶらに多く含まれており、コレステロール値を下げる作用を持っています。
魚のあぶらに含まれている脂肪酸には、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)があり、コレステロールを減らすばかりでなく、血栓を予防する作用も持っています。
これらは一般に背の青い魚(アジ、サバ、イワシ、サンマ、マグロ、ブリなど)に多く含まれています。
こうしたことをふまえたうえで、脂肪をとる場合には、次のようなことに注意します。
・肉のあぶら身(霜降り、ロース、バラ肉など)やハム、ベーコン、コンビーフ、ソーセージは避け、赤身肉を主に使うようにします。
あぶら身のない部位はさっぱりして、もの足りなさを感じる人もいると思いますが、その場合はいためたり、揚げ物などにしてボリュームアップしましょう。
・ステーキや魚のムニエルなどを焼く場合は、ヘットやバターを使わないでサラダ油で調理します。
・植物油を毎日とるためには、いためる、揚げる、ドレッシング、マリネなどで食卓に登場させましょう。
ただし、油は一グラム当たりのエネルギー量が高いのでとりすぎないように注意します。
コレステロール値を改善すると言われる不飽和脂肪酸ですが、実は不安定な物質で、日光に当たったり古くなったりすると酸化して、過酸化脂質に変化しやすくなります。
体内でも酸化を受けて過酸化脂質に変化しますが、この過酸化脂質は動脈硬化を助長させますので注意しましょう。
過酸化脂質を作りやすい食品には、魚の干物、インスタントラーメン、ポテトチップなどの揚げ菓子などがあります。
こうしたことから考えると、脂肪はバランスよくとることがたいせつです。
目安としては動物性脂肪一に対して植物性脂肪がよいとされています。
コレステロールは一日300ミリグラム以下に
コレステロールは体内でホルモンや細胞膜の原料になる大切な物質なのですが、このとりすぎは血液中のコレステロール値を上昇させますので、一日の摂取コレステロール量は300ミリグラム以下を目標にします。
これは、一日に必要なタンパク質をバランスよくとったときのコレステロール量に相当します。
コレステロールは、動物性食品にのみ含まれています。
卵類、たらこ、すじこ、数の子などの魚卵、レバーなど、特にコレステロールを多く含んでいる食品の摂取は控えるようにします。
食物繊維をしっかりとる
食物繊維は、体内の有害物質や余分な塩分を排泄し、コレステロールを減らす働きがあります。
また、血圧を上げる原因にもなる便秘の解消にも役立ちます。
食物繊維は腸の中で胆汁酸を吸着して、便といっしょに胆汁酸を排泄させます。
これがコレステロールを減らすことにつながるのです。
食物繊維には、ごぼうの繊維のように筋ぼっていて水に溶けないセルロース、果物に含まれるペクチン、海藻などのアルギン酸など、いろいろな種類があります。
このなかでもペクチンはコレステロールを吸着する力が強いと言われています。
食物繊維は満腹感を得られやすく、エネルギー源として吸収されないので、肥満防止にもなります。
このように、食物繊維にはさまざまな働きがありますので、一日20〜25グラムを目標にして毎日とりましょう。
一日300グラム程度の野菜では食物繊維量は10〜21グラムぐらいしかとれませんので、海藻や大豆、未精白の穀類などを頻度を多くしてとり入れるようにしましょう。
食物繊維の多い食品を一日の必要量を確保しましょう。
砂糖や菓子は控えめに
糖質類のとりすぎは、動脈硬化を促進させることが解明されています。
同じ糖質のなかでも、デンプンなどよりも砂糖や果物の中に含まれている果糖によって動脈硬化が助長される率が高いことが指摘されています。
砂糖は脂肪の合成を促進させます。
また、血液中の脂肪の濃度を増加させる作用があります。
砂糖は体内に入ると、ブドウ糖と果糖に分かれますが、このうち果糖はブドウ糖に比べて中性脂肪に合成しやすいので、高脂血症の人は砂糖を使った菓子類や果物のとりすぎに注意します。
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