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肥満が動脈硬化の原因になる
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人間は太りやすい動物である
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おとなの肥満対策
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太るとなぜ高血圧が高くなる?
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肥満が胆石・呼吸器疾患・痛風を引き起こす
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ストレスが肥満を招く
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太る人の食べ方
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肥満はガンの引き金
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清涼飲料水は控えめに
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夜食は何故悪いのか
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「ながら食い」が肥満につながる理由
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肥満遺伝子
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肥満は寿命を短くする
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肥満の人の手術は難しい
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太ると頭の回転が鈍るのか?
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肥満の原因は偏った食生活と運動不足
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どのくらい太ったら危険なのか?
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子供の肥満について
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ファーストフードはダイエットの敵
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間食について
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早食い、ドカ食いは肥満の近道
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糖質や脂質の多いものを食べるとなせ太るのか
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肥満と高脂血症の関係
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食べ過ぎは肥満の原因
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肥満と女性特有の病気
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正月はなぜ太るか
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肥満が動脈硬化の原因になる
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女性には太りやすい時期がある
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ムラ食いも肥満の原因
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リンゴ型肥満と洋ナシ型肥満
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肥満の原因をつきとめる
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子供の肥満対策
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肥満が動脈硬化の原因になる
動脈硬化は、生活習慣病などのさまざまな病気の原因になることが知られていますが、肥満者は、正常体重者に比べて三倍もの確率で、動脈硬化症になることがわかっています。
動脈硬化を進める要因をリスクファクター(危険因子)といいますが、高脂血症、高血糖(糖尿病)、高血圧、喫煙が四大因子です。
すでにお話ししたように、喫煙以外は、肥満の人は正常の体重の人よりもいずれも合併しやすいのです。
動脈硬化の進展、発病は、体の部分や臓器によって、異なります。
脳動脈は、高脂血症の影響も受けますが、血圧の影響を受けやすくできています。
脳の動脈が硬化すると、脳出血や脳梗塞の危険性が増します。
このような病気は、血圧の管理が進んだことで、かなり少なくなってきたとはいうものの、日本人の三大死因の一つであることに変わりはありません。
心臓に血液を供給する冠状動脈は、脳動脈とは異なり、血圧の影響よりも高血糖、高脂血症の影響を受けやすい動脈です。
冠状動脈が硬化すると、狭心症や心筋梗塞の原因になります。
このような疾患は、食事内容の欧米化にともない、発生頻度が上昇して、ガンに続く死因となっています。
下肢に発生する閉塞性末梢動脈硬化は、高血圧や高血糖、高脂血症の影響も受けますが、喫煙ともっとも深い関係にあります。
閉塞性末梢動脈硬化症になると、歩行中に下腿が痛む間欠性披行や、栄養障害に基づく潰瘍などを引き起こします。
このように、肥満者の動脈硬化症の発症や進展には、高血圧、高脂血症、糖尿病などによる血流・代謝の異常などが深く関与しているため、減量することが非常に基本的な治療方法になります。
またこれらの合併症の多くは、肥満の治療をすることによって、取り除くことができるのです。
薬物療法を行う場合も、体重を減少させることで、薬の量を減らすことができます。
薬の副作用を防ぎかつ薬の効果を上げるためにも、減量は肥満者の動脈硬化に欠かせない治療方法なのです。
カテゴリー:肥満
人間は太りやすい動物である
なぜ人間は太ってしまうのでしょうか。
余計な脂肪さえつかなければ、ダイエットなんて苦労しなくてすむのに……。
それに比べて、自然界には太り過ぎで困っている動物は存在していません。
太り過ぎの象やキリンやカエルやクワガタの話なんて、問いたことのある人はいないのではないでしょうか。
ところがこれがペットのように、人に飼われるようになると肥満が出現するのです。
一時、動物園の動物のなかに、高血圧や糖尿病など、まるで人間がかかるような病気が増えて話題になったことがあります。
これは結局のところ肥満が原因でした。
話をわれわれ人類のことに戻しましょう。
人類がこの世に生まれたのは、およそ四〇〇万年前のことといわれています。
農耕がはじまったのがおよそ数千年前といわれていますから、人類はそのほとんどの間、狩猟・採集生活で食料をまかなっていたことになります。
ところが、狩猟・採集といっても、原始的な武器しかなかった古代では食べ物を得るのは容易なことではありません。
目が覚めてから眠りにつくまでの間、いつ食べ物にありつけるがまったくわからない毎日だったと考えられています。
したがって、いったん食べ物が口に入ったときには、積極的にエネルギー源として蓄えようとする仕組みが、私たちの体のなかにはできあがっていきました。
それが、脂肪の蓄積です。
体は、食べたものが多すぎるからといって、吸収せずに排出してしまぅ仕組みは持っていません。
食べたものは確実に、その分だけ体のなかに取り込まれていくのです。
「食べたらとにかく蓄える」。
このような体の仕組みはほかの動物にも当てはまります。
「食べ物が、気候や環境に左右されず、決まった時間に食べたいだけ手に入る」などということは、自然のなかではほとんどありえないことだからです。
それでは脂肪は体のどこに蓄えられるのかというと、一部が肝臓に溜まるほかは、ほとんどが脂肪細胞に蓄えられるのです。
脂肪細胞は普通の細胞とは異なり、大きさを三倍にまで拡大することができます。
しかも、身体中に無数といえるほど(一八〇億個以上)存在していますから、理論的には際限なくいくらでも脂肪を蓄積することができることになります。
「ここまで太ったらもうこれ以上太らない」などというボーダーラインはないものと思い、肥満と診断された人は一刻も早くダイエットを実践したいものです。
余計な脂肪の量が少ないほど、ダイエットも容易です。
カテゴリー:肥満
おとなの肥満対策
太りすぎの人は、まず、自分がなぜ太ってしまったのかを考えてみましょう。
そうすると、だれでも「食べすぎだ」「運動不足だ」と思い当たることでしょう。
つまり食べるエネルギーが多すぎて、消費するエネルギーが少なすぎるのです。
肥満解消は、過食と運動不足を見直すことである
働き盛りの管理職の人は、連日会合や宴会などでごちそう攻めにあい、家に帰れば冷蔵庫にはビールに清涼飲料、その他すぐに食べたり飲んだりできるものが準備されています。
お湯を淳ばすぐ食べられるインスタントめんの類や、いろいろな調理ずみ食品もあふれるほどあって、いつでもどこでもすぐに食べられるというのが、昨今の実態です。
運動のほうはと見れば、生産の場では、工場はもちろん、農業や事票の労働に至るまで機械化され、消費エネルギーがいちじるしく減っています。
家庭においては炊事・洗濯・掃除などほとんど電化、自警れて、昔にくらべれば主婦の運動量も激減しました。
マンション住まいの人は便利すぎて、動くこと、歩くことが少なくなり、ビルではエスカレーターやエレべーターが完備されるようになりました。
それに加えて都市から農村で広まったモータリゼーションは、人間が歩くことに終止符を打った感さえあります。
このような機械文明のために、国民の間の広範な層に運動不足が一般化し、肥満者を増加させる要因をつくっています。
肥満を防ぎ、健康にやせるために、次のことに気をつけるようにしましょう。
食事の量をいままでよりも減らすこと
いままでのように気ままに食べていればやせることはできません。
ごはん、パン、めん類などの主食や甘いものを極力控え、アルコール飲料もほどほどにして、栄養のバランスのとれた食事をとるようにします。
自分の体に合わせて、「何をどれだけ」食べたらよいのかをきめ、覚えておくようにします。
食事は一日三回、きめられた時間にとる
やせるために朝食を抜く人がいますが、食事の回数を減らすとかえってやせられません。
少ない量の食事でも、きちんと三回に分けて規則正しい食事時間に食べるようにします。
夕食は、昼食からの時間が長いので空腹感が強く、それに一日の仕事やストレスから解放されるときなので、とかく過食になる傾向があります。
むしろ昼食と夕食の間に一日の制限エネルギーの範囲内で牛乳や果物のような間食をとって、あまりおなかをすかせないのも一つの方法です。
毎日つづけられる運動をする
やせるためには、摂取エネルギーを抑えるだけでなく、消費エネルギーをふやす積極的な姿勢が必要です。
けれども、あまり気負って長つづきしないハードな計画を立ててはなりません。
毎日実行できるもの、自分の体に合ったもの、軽く汗をかく程度の運動を長く実行することが、やせるためのポイントです。
また、日常生活でこまめに動くこともたいせつです。
エレベーターやエスカレーターにはなるべく乗らないで、つとめて階段を利用するとか、近いところならできるだけタクシーなどに乗らないで早足で歩くとか、立ち居振る舞いに至るまで、ふだんの動作行動での運動量を少しでも多くふやすよう心がけましょう。
食事はゆっくりよくかんで食べる
同じ量の食事でも、早食いした場合とゆっくりかみしめて食べた場合とでは、後者のほうがより満腹感が得られます。
外食や買い食いを控える
勤めに出る人はなるべく弁当を持っていって外食を避けたいのですが、いろいろな事情で外食をしなければならない場合には、できるだけバランスのとれた食事をとるよう注意します。
体重を記録する
減量を始めたら、毎日、あるいは一週間に一回、食事の前に体重計の上に乗ってみるようにしましょう。
体重が減ってくるのが目に見えると、これが励みになります。
カテゴリー:肥満
太るとなぜ高血圧が高くなる?
WHO(世暴保健機関)では、最大血圧一六〇以上、最小血圧九五以上の人を高血圧と定義しています。
血圧が少々高くてもたいしたことないだろう、と思っている人もいるかもしれませんが、実は高血圧は、脳卒中や心筋梗塞の引き金ともなる恐ろしいものなのです。
私たちは一般に、血圧の高い人イコール太っているというイメージをなんとなくもっています。
マンガなどにも「いかにも血圧の高そうな太った」人が、頭から湯気を立てて怒っているような絵が使われたりします。
これは実際、かなり正確なイメージです。
肥満の人が高血圧を発症する割合は、正常体重者の3.5倍というデータがそれを裏付けています。
しかし、なぜ太っていると血圧が上がるのでしょうか。
これには、まず塩分が関係しています。
血圧と肥満と塩分。
それは次のような関係にあります。
まず、肥満の人は食べ過ぎる傾向があります。
食べ過ぎは塩分の取り過ぎにも結び付きます。
また、食べ過ぎると血液中の糖分を脂肪に変えるために、インスリンが多量に分泌されます。
ところがインスリンにはナトリウムを体の外へ出しにくくする働きもあります。
塩分の取り過ぎとインスリンの働き過ぎで、ナトリウムが体に蓄積され、血液のボリュームが増え、血管がパンパンに張ったような状態になってしまうのです。
さらに追い打ちをかけるように、インスリンは交感神経を刺激します。
交感神経は血管を収縮させる働きをしますので、血圧の上昇にますます拍車がかかることになります。
また、肥満になって皮下脂肪が溜まると、脂肪に囲まれた末梢血管が圧迫されるようになります。
それでも心臓は血液を送らなければなりませんから、ポンプの圧力を上げることになり、これも高血圧の原因になるわけです。
これらのことが複合して起こるのが、肥満した人の高血圧症です。
高血圧の状態が長く続けば、血管もくたびれて、伸縮性を失って固くなります。
これが動脈硬化。
ここから脳出血、脳梗塞、心筋梗塞などの病気が発生するわけです。
結局は食べ方の問題であり、体の脂肪の問題ですから、高血圧はダイエットによって改善されるケースがいくらでもあります。
ダイエットをはじめたばかりで体重は減らないけど、高血圧はよくなったという人が大勢いるのは、このような理由なのです。
カテゴリー:肥満
肥満が胆石・呼吸器疾患・痛風を引き起こす
胆石というのは、胆のうに結晶化した石状のものがたまる病気で、この石が胆のうを刺激して腹痛発作の原因になります。
胆石には、赤血球のヘモグロビンが壊れてできるビリルビン結石と、コレステロールが中心となるコレステロール結石があります。
肥満者にとって問題となるのが、このコレステロール結石です。
肥満にともなって肝臓でコレステロールが多くつくられるようになると、血液中のコレステロールも高くなります。
さらに、胆汁中にもコレステロールが余分に排出されるようになり、濃度が高まって、結晶化しやすくなるわけです。
また、肥満になるととくに問題となる呼吸器疾患は、二つあります。
肥満が重症になると、脂肪がたくさん蓄積して胸郭の動きが障害されるようになります。
その上、空気の通り道である気道が狭くなると、肺の中での炭酸ガスと酸素の交換がうまくいかず、血液中の炭酸ガスの濃度が高くなってしまいます。
そうなると脳の睡眠中枢が障害されて、日中でも常にうつらうつらとしたり、すぐに眠り込んでしまうようになります。
このような疾患をピックウィック症候群といいます。
もう一つ問題となるのが、睡眠中に呼吸が一時停止してしまう睡眠時無呼吸症候群です。
これもピックウィック症候群と同様で、重症の肥満によるガス交換障害と気道狭窄が原因となるのですが、気道狭窄が一層強く、仰向けに寝ると気道が完全に閉じてしまい、睡眠中に一時的に呼吸が止まってしまうことを繰り返す病気です。
この病気は、しばしば重症の肥満者の突然死の原因になります。
これらの呼吸器疾患は、減量によって肺のガス交換がうまくいくようになると、治るものなのです。
風が吹いただけでも痛むことからつけられたのが痛風。
男性のお年寄りに多い疾患ですが、これは血液中に尿酸が増える高尿酸血症から引き起こされます。
この尿酸が、足関節に結晶化して沈着することで、強い痛みを招くのです。
肥満者では、食べ過ぎのためにプリン体という尿酸の材料になる食べ物の摂取量が多ぐなります。
また、肥満では体のなかで尿酸をつくる働きが高まります。
さらに、尿の中へ尿酸を排出する働きが弱くなります。
これらが、高尿酸血症の原因となるのです。
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ストレスが肥満を招く
現代はストレス社会といわれて、なにからなにまでストレスの責任にされているような印象をうけます。
ここで「肥満の原因はストレス」などといえば、またかと思われるかもしれませんが、ストレスはやはり肥満の原因にもなっているのです。
とはいうものの、非常に強いストレスは食欲を減退させます。
今日の試験で自分の進路が決まるといぅときに、朝から食欲旺盛でうっかり食べ過ぎたなんて人は少ないはずです。
何もノドを通らないような精神状態になるのが普通ではないでしょうか。
肥満に結びつきやすいストレスというのは、ごく緩やかで、本人もストレスかどうかはっきりと認識していないようなものが一番危険なのです。
たとえば、緊張感のある仕事が続いているとき。
職場の同僚や学校の友達、あるいは近所の人との人間関係がなんとなくしっくりいかないとき……。
こうした緩やかなストレスは、食べることで紛らわすことができるため、肥満へと結び付きやすいのです。
食べることでストレスを解消しようとするのは、なぜか女性に多く見られる事例です。
しかも、ご飯や肉などの食事の量が増えるのではなく、ケーキや和菓子といった甘い物に手が出てしまいます。
一度にケーキ五個とか、ようかんを半分ベロリ、なぜか甘い物を食べると、緊張感がほぐれるような感じがするのです。
さらに困ったことに、食べ物でストレスを解消しようとする人は、夜食べる傾向があります。
最近は共働きの家庭が多く、昼間は仕事の緊張感もあり会社の同僚たちの目もあるのであまり食べることはできません。
仕事が終わり、ほっとして家に帰ってからが野放し状態になるというわけです。
人の体は、昼間は交感神経が活発に働いてエネルギーを発散しやすくなっています。
ところが夜間は副交感神経が活発に働いて、エネルギーを蓄えようとします。
つまり同じカロリーのものを食べても、昼間より夜間のほうが脂肪として蓄積されやすいのです。
この状態のときに、高カロリーの甘い物を多量に食べたのでは、太らないのが不思議というものです。
事実、肥満者の三分の一は夜食を食べているという報告もあります。
アルコールでストレスを解消しようとしている人も似たようなものですが、アルコールには「酔っ払う」という明確な「症状」があります。
一方、甘い物のつまみ食いは自覚症状に乏しく、ついつい食べ過ぎてしまうのです。
ストレスによる食べ過ぎを防ぐには、原因となっているストレスを取り除くことが最善の方法ですが、それが無理な場合もあるでしょう。
運動や趣味など自分が打ち込めるものをみつけ、食べること以外でストレスを解消をするようにしてみましょう。
カテゴリー:肥満
太る人の食べ方
スタンカードというアメリカの精神医学者は、太っている人の食べ方を調査して、次のような共通点があると報告しています。
(1)おいしそうな光景や匂いに影響されて食べてしまう。
レストラン等で余分なデザートを注文してしまったり、メニューや他人の食べているものにつられて、一皿余計にディッシュをとってしまったりする。
(2)空腹、満腹に関係なく食べる傾向があり、また目の前にある食べ物を残らず食べてしまう傾向がある。
このため、食卓や身近にある果物やお菓子をなくなるまで食べてしまう。
(3)ストレスのはけ口を食べることに求める傾向があり、イライラしたりモヤモヤすると大食いをすることが多い。
気晴らし食いともいい、日頃から食べたいと思っていたものを、一度にどっさり食べてしまうこともある。
(4)自分の意志を強く出すことが苦手で、すすめられると断れなくて食べてしまう傾向が強い。
ダイエットの決意が簡単に破られ、自己嫌悪に陥りやすく、それがまたヤケ食いを招くことになる。
(5)ドカ食い、早食い、ムラ食いが多く、食事が不規則の傾向がある。
食事時間や食べ方が不規則なのは、太ることにつながりやすい。
(6)朝食抜きか、食べても少食で、そのかわり夜にダラダラ食べたり、集中的に食べる傾向がある。
夜食症候群といい、太りやすい食べ方の典型である。
(7)偏食で、好きな食べ物ばかり食べる傾向がある。
好きな物なので、ついつい量を食べ過ぎてしまう。
そのほか、太っている人や太りやすい人は、体脂肪になりやすい食べ物を好む傾向があることも指摘されています。
たとえば、甘い果物、コーラやジュースなどの清涼飲料水、ポテトチップスやチョコレートなどのスナック菓子、ハンバーガーやフライドチキンなどのファーストフード類です。
痩せるための基本は、減食と運動の二つですが、スタンカードのこの七つの指摘は、太っている人の食べ方の誤りを端的に示したものといえるでしょう。
あなたの食傾向はいかがでしょうか。
思い当たる項目がある人は、改める努力を始めてください。
もし、ほとんどすべてに該当するような場合、いきなりすべてを改めるのではなく(それがかえってストレスになるといけないので……)できるところから始めるようにしましょう。
カテゴリー:肥満
肥満はガンの引き金
太っていることと、ガンとは一見なんの関係もないような気がします。
でも、肥満がある種のガンを誘発することが、だんだん明らかになってきています。
肥満になると発症が高くなるのは、子宮ガン、乳ガン、前立腺ガン、大腸ガンなどです。
子宮ガン、乳ガンは女性特有のガンです。
実は脂肪細胞には、男性ホルモンのアンドロゲンを女性ホルモンのエストロゲンに変える働きがあります。
肥満になっている女性は、脂肪細胞から放出されるエストロゲンの刺激を、子宮内膜や乳腺に受け続けることになり、それがガン化に結び付くのだと考えられています。
一方、男性に特有な前立腺ガンは、詳しい仕組みはわかっていません。
ただし、肥満者は正常体重者に比べて2.5倍もこのガンにかかりやすく、肥満者のなかでも動物性食品を多量に食べる傾向がある人は3.6倍の確率でかかりやすいことが報告されています。
大腸ガンも、食べ物と深い関わりがあります。
最近まで、日本人には胃ガンが多く、大腸ガンは少ないといわれていました。
ところが食べ物の欧米化によって、大腸ガンになる人が急増しています。
大腸ガンの発生が、食べ物と関係があることは、ハワイに移住した日系人を調査した結果でも明らかにされました。
彼らが結腸ガンにかかって死亡する比率は、日本在住者の2.5倍にもなり、アメリカ人の発生率に近くなっていることがわかったのです。
それでは、肥満と大腸がんとの因果関係はどうなっているのでしょうか。
肥満者では脂肪摂取が多くなり、そのために胆汁排出が増加します。
この増加した胆汁が変性して大腸の粘膜細胞を刺激して、ガンへと導くのではないかと考えられているのです。
大腸ガンは肥満している人のなかでも、とくに運動不足傾向の人に顕著にみられる病気です。
運動することで大腸の働きが活発化し、腸のなかの老廃物をすみやかに出すため、大腸ガンを防いでいるのではないかと考えられています。
いずれにせよ、肥満を治すこと、脂肪を摂りすぎないことと運動量を増やすことが、このガンを防ぐうえで有効であることは間違いありません。
肥満といろいろな病気との関連についてお話ししてきましたが、肥満が急激にさまざまな病気をもたらすようになるのは、肥満度が30%を超えたあたりからの話です。
多少太り気味だからといって、それがすぐ病気に結び付くわけではありません。
カテゴリー:肥満
清涼飲料水は控えめに
最近では、家庭や職場の暖房が行き届いているため、冬でも冷たいジュースなどの清涼飲料水が売れるようになりました。
風呂上がりや運動の後などに、のどを潤すためにスポーツドリンクなどをグイグイ飲んでいる光景も見かけます。
こうした人のなかには、清涼飲料水は水のようなものでエネルギーはそれほどないと勘違いしている人もいます。
清涼飲料水のなかに含まれているエネルギーは、サイダーやコーラ一本(300cc)で100〜125キロカロリーにもなります。
ご飯一杯が約180キロカロリーですから、それに近いようなエネルギーをもっているわけです。
しかも清涼飲料水は非常に飲みやすくできているため、飲み過ぎてカロリーオーバーになる危険性も高いのです。
清涼飲料水のなかでも比較的エネルギーが少ないものは、トマトジュースの一缶50キロカロリー、野菜ジュース一缶35キロカロリーなどです。
いまはやりのスポーツドリンクにも、味付けのためにブドウ糖が使われています。
そのため一缶あたり約60キロカロリーのエネルギーがあります。
「スポーツドリンクは、水と同じだから、どんなに飲んでも太らない」と考えている人もいますが、これは明らかな間違いです。
子供に水代わりにスポーツドリンクを飲ませているおかあさんもいます。
しかし飲ませ過ぎれば、小児肥満にもなりかねません。
スポーツドリンクは、体に吸収されやすいように栄養素の濃度や成分を調整しています。
カロリーのない「水」代わりにはなりません。
一口に清涼飲料水といっても、さまざまなものがあります。
炭酸が含まれているものもあれば、果汁を含んでいるものもあります。
果汁100%なら太らないだろうと信じている人もいます。
しかし残念ながら、果物を食べて太るように、果汁を飲んだ場合にも飲み過ぎれば肥満につながります。
オレンジジュース一缶(300cc)で約120キロカロリーのエネルギーがあります。
もちろん清涼飲料水のなかにも、麦茶や緑茶、ウーロン茶、ミネラルウォーターなどのノンカロリーのものもあります。
太らずにのどの乾きを潤すためには、このような商品か、普通の水道水を飲むほうが賢明でしょう。
スポーツの後など、のどの乾きを潤すために、あるいはおやつと一緒に、エネルギーが高く飲みやすい清涼飲料水をガブガブ飲んでいたのでは、ダイエットはいつまでたっても成功しません。
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夜食は何故悪いのか
日常の食生活の中で、「夜にたくさん食べると太る」ということは、多くの人が体験的にご存じのことかと思います。
でも、それではいったいなぜ、夜食べると太るのでしょう。
昼間は体をよく動かします。
消化吸収されたものをエネルギーとして使うことができるわけです。
一方、夜は寝ているため基礎代謝以外には、エネルギーを使う余地がありません。
そのため「夜食べると太る」ということになるのですが、実はこうしたことのほかに、私たちの体には夜太る仕組みができあがっているのです。
生物の生活活動には、二足の間隔で繰り返されるリズムがあります。
このリズムに基づく生物活動の時間の流れのことを、生物時計といいます。
生物時計には季節的に繰り返される長期的なものもありますが、代表的な時計は一日の長さで繰り返される日内リズムです。
人間も日内リズムを持っています。
昼に働いて、夜寝るというのも日内リズムです。
私たちの体には、心臓、肺、肝臓、腎臓、胃腸などのさまざまな器官があり、ふだん意識をしなくとも、一時も休まずに働いて生命活動を維持しています。
このような、私たちの意志と関係なく働いている器官を支配しているのが、自律神経といわれる司令塔です。
自律神経には交感神経と副交感神経の二種類があります。
体が活動する昼間は、交感神経の働きが高まり、心臓、肺などの血の循環がよくなりこれらの器官の働きを活発にします。
逆に休息期の夜は副交感神経の働きが高まり、胃腸や肝臓などの血行がよくなり、それぞれの器官の働きを活発にする日内リズムがあるのです。
したがって、夜、物を食べると胃腸の働きが活発なために、消化吸収の働きが高まっているのでどんどん体内に取り込まれていきます。
また、胃腸の仲間であるすい臓からのインスリン分泌も活発になっているため、体内に入った栄養が肝臓や脂肪組織で脂肪に転換されやすくなっているのです。
これらの理由により、「夜食べると太りやすい」ということになるわけです。
そのうえ胃腸や肝臓は、立っているときよりも、横になっているときのほうが血液がよく行き渡り、器官の活動が活発になります。
「寝る子は育つ」といいますが、大人になって成長が止まってしまってからは「寝る大人は太る」ということになるわけです。
夜は、食べ物を効率よく消化吸収し、効率よく脂肪として蓄積できるように、人の体は設計されているのです。
そのうえ、横になると消化吸収力はさらに高まります。
ダイエットの原則は、朝食、昼食をきちんと食べ、胃腸、肝臓、すい臓などの消化器系の器官の働きが活発になる夜は少なめにするということです(食べ物の量が多少少なくても、効率よく消化吸収されるのですから)。
とくに就寝前の夜食は厳禁であり、寝る前の三時間は、食べないようにすることが大切です。
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「ながら食い」が肥満につながる理由
テレビを見ながら食べる、本や雑誌を読みながら食べる、話しながら食べるなど、日常の生活で「ながら食い」をする機会は少なくないはずです。
こういうときに食べる物といえば、ポテトチップ、ポップコーン、クッキー、ビスケット、せんべい、ピーナッツ、干しぶどうといったスナック類が多いのではないでしょうか。
アメリカでは、テレビを見ながら食べることが多いのでこれらの食品を「テレビスナック」といい数多くの商品がスーパーの棚に山積みされています。
スナック類の栄養素は炭水化物と脂肪が多く、しかも油やバターで調理加工されるなど、ほとんどがエネルギーの高いものばかりです。
たとえば、ポテトチップスは約20g、ピーナッツは20粒、せんべいは一枚半、ビスケットなら2枚半で、それぞれお茶碗半分のご飯と同じだけのエネルギーになるのです。
袋や箱入りのスナック類は簡単に食べられ、また甘みや塩気、味つけなどもおいしく工夫されています。
その上、甘い物、脂肪の多い食品をおいしく感ずる仕組みが体に備わっています。
食べやすく日当たりがよいので、ついつい手が伸び、気がついたら一袋すっかりからっぱになっていたということはよく経験することだと思います。
ポテトチップス一袋で、ご飯何杯分にも相当するエネルギーをもっていることを思えば、まさにスナック菓子はダイエットの天敵といっていいものなのです。
ただでさえ食べやすいスナック類ですが、何か別のことに気をとられていると「ダイエット」の決心もおろそかになり、ついつい袋に手をつっこんでは口に運ぶという動作を繰り返してしまいます。
少量を連続的に食べ続ける食べ方では、胃壁はなかなか膨らまないため満腹を感じることもありません。
結局、それほどのカロリーのものを「食べた」という実感もれわきません。
「歩くことを心掛けているのに痩せない」「食事を減らしているのにかえって体重が増えてしまった」、こんな悩みを訴える人の多くが、「スナックのながら食い」の常習者なのです。
スナック類は、エネルギー的にも食事より多くとることになりがちですから、いくら食事をダイエットメニューにしても、なんにもならないのです。
「ながら食い」には、パターンがあります。
家庭の主婦なら、ご主人や子どもを送り出し家事が一段落した後のテレビタイム。
サラリーマンやOLは、昼食や夕食後などのホッとしたときのお話タイムやテレビタイムが危険地帯です。
スナック菓子のような手軽な食べ物が欲しくなりがちです。
この誘惑に勝つには、食べ物を目に見える場所や、すぐ手の届く場所に置かないことが重要です。
スナック菓子を食べるために、買い物にでかける必要があったり、高い戸棚から苦労してひっぱり出してこなければならないようにしておくと「ダイエット」の五文字を思い出し、欲求を抑えることができるのです。
カテゴリー:肥満
肥満遺伝子
太る原因といえば、食べ過ぎ、運動不足といったことに相場が決まっていましたが、最近、そう単純なものではないらしいということが明らかになってきました。
とくに、四年ごとに開催される国際肥満学会では、遺伝と肥満との関係が注目を集めています。
学会では、肥満の一因に食欲抑制遺伝子(肥満遺伝子と呼ばれています)がかかわっていることが報告され、大きな話題となりました。
私たちは、食べ物を食べればやがておなかがいっぱいになり食べるのをやめます。
このとき、食欲を抑える働きをもつ肥満遺伝子があることがわかったのです。
ところがこの遺伝子の異常のために食欲を抑える働きをもつ物質をつくれない動物や、遺伝子がつくった食欲を抑える物質に対して脳が反応できない動物がいて、それが暴飲暴食の原因となっていることがわかったのです。
人間では、この遺伝子の異常はまだみつかっていません。
もちろん、肥満と遺伝子とのかかわりはまだまだたくさんあります。
むかしから、家系と肥満との関係はよく指摘されていることです。
両親が太っている場合、その子供の三分の二が肥満になるといわれており、ここにはやはりなんらかの遺伝的つながりがあるように思えます。
人の体のなかには、約一八〇億個ともいわれる脂肪細胞があり、この脂肪細胞の数が多ければそれだけ太りやすいこともわかっています。
脂肪細胞の数の多少を決めるときにも、別の肥満遺伝子が関係していると考えられます。-----
EXTENDED BODY:
カテゴリー:肥満
肥満は寿命を短くする
なぜ肥満が起きるのか、肥満にはどのようなタイプがあるのかということについてこれまで説明してきました。
そこで、ここから少しの間「なぜ、肥満になるといけないのか」ということについて触れてみたいと思います。
肥満はたんに「みかけ」だけの問題ではなく、私たちの健康に大きな影響を与えていることがわかっているからです。
アメリカのバー(Barr)らは、肥満者がどのような比率で病気で亡くなっているかを調べました。
それによれば、糖尿病では男女ともに正常体重に比べ肥満者のほうが、約三倍以上も多く亡くなっています。
その他の疾患で亡くなる比率や、さらには交通事故で亡くなる比率まで、正常体重の人よりも高いのです。
統計的にみても、肥満者に健康で長生きは望めないということが、おわかりいただけたでしょうか。
それではいったいなぜ、肥満が病気を引き起こすのか。
体重の増加と、病気との関係がわかりやすいものから説明することにします。
体重が増えてくれば、体には物理的な無理がかかります。
長年、重い体重を支えていたために、関節のなかの軟骨が磨り減ってしまうのが、変形性関節症です。
膝関節や股関節などに発病し、痛みのために歩くことさえ困難になります。
この病気は女性に多く、とくに六〇歳前後から患者数が増えます。
おそらく女性に骨粗鬆症の人が多いことと関係があると思われます。
歩くたびに、太ももや脇の下がこすれて起こるのが、接触性皮膚炎。
本来隙間があるべき部分が、太り過ぎたために触れ合うようになったのです。
ひどい場合にはここからばい菌が入って化膿してしまぅこともあります。
非常に太った人が、手足をつっぱったようにして独特の歩き方をしているのは、皮膚が擦り合うのを避けたいからなのです。
首に脂肪がつきすぎて、寝ているときに気道をふさいでしまうのが、睡眠時無呼吸症候群。
夜間の不眠と周期的な大いびき、目覚める前の窒息感、慢性的な疲労感、昼間の眠気などが特徴で、放置しておくと呼吸停止のため突然死の原因になります。
また、肥満になって胸部や腹部に脂肪がつきすぎると、胸の動きが制限されて、酸素と二酸化炭素の換気が悪くなります。
そのため、睡眠中枢が刺激されて眠くなるのを、ピックウィツク症候群といいます。
意識障害やけいれんをともなうこともあり、突然眠気に襲われて交通事故を招くこともあるのです。
これらの疾患は、脂肪のつきすぎが原因であることが本人にも理解しやすいため、改善しようという意志も起こります。
しかしもつと深刻なのが、脂肪のつきすぎが体の内部に与える影響なのです。
カテゴリー:肥満
肥満の人の手術は難しい
極端に太った人のなかには、盲腸の手術中や術後の経過が思わしくなく、亡くなってしまう人がいます。
「盲腸なんて手術のうちには入らない」なんてことがいわれている現代で、なぜこんなことが起こるのかというと……。
それが脂肪のせいなのです。
おなかの回りに分厚い皮下脂肪が溜まっている人は、開腹手術のときに、まずその脂肪層を切り開かなければなりません。
これがなかなかやっかいな作業なのです。
分厚い脂肪をかきわけて内臓を探しているうちに、思わぬ大手術になってしまうこともあります。
また、脂肪というものは、普通の状態では水には溶けません。
手術の際に、うっかり皮下脂肪を散らしてしまい、それが血液のなかに入るととんでもない事態になります。
皮下脂肪の粒子が血液中に入って、脳や肺臓の血管につまれば、脳塞栓や肺塞栓を引き起こしてしまうのです。
こういうことになれば、手術が原因で死亡することもあります。
以前、玉の海という相撲の横綱がいましたが、彼は虫垂炎(盲腸)の手術中に、脂肪粒子が脳の血管に詰まり、脳塞栓を併発して亡くなってしまいました。
また、術後太っているために傷口がなかなか閉じず、そこから細菌が入って化膿してしまうこともあります。
簡単な手術のはずが大手術に、さらには死亡の原因に。
肥満した状態で開腹手術を受けるのは、そのような危険がつきまとうのです。
脂肪がつきすぎるといえば、皮下脂肪だけではなく、肝臓もその犠牲者です。
フォアグラという食べ物がありますが、あれはガチョウに無理やりエサを食べさせて太らせ、真っ白い脂肪の詰まった肥大した肝臓にしたものです。
肥満の人の肝臓もこれと似 たような状態になっています。
食べ物としてとった炭水化物はブドウ糖に変わり、余分な糖は脂肪細胞や肝臓で脂肪へと変わります。
肝臓でつくられた脂肪は、普通は肝臓から排出されるのですが、つくり出す量があまりに多いと肝臓に溜まってしまいます。
これが続くと脂肪肝になるのですが、脂肪肝でもつとも困るのはB型肝炎、C型肝炎になったとき、あるいはアルコール性肝炎になったときに、肝硬変に移行しやすいという点です。
沈黙の臓器といわれる肝臓はとても我慢強く、なかなか自覚症状も現れません。
脂肪肝になっても、とくにこれといった体調の変化は認めにくいのですが、重い病になる以前に改善しておきたいものです。
脂肪肝は血液の肝機能検査や腹部CT、腹部エコー検査で診断されます。
多くの肝臓病は栄養をしっかりとり、安静にすることが必要ですが、脂肪肝の治療では摂取カロリー制限と運動によるダイエットが唯一の方法なのです。
カテゴリー:肥満
太ると頭の回転が鈍るのか?
以前、知り合いからこのような相談を受けたことがありました。
「自分が現在受け持っているある児童のことなのですが、小学校3年のころまでは非常に頭の回転も早く、学力もトップクラスでした。
ところが、高学年になったころから急速に太りはじめ、それと時期を同じくして成績のほうもみるみる落ちてしまいました。
太ったということと、学力とは何か関係があるのでしょうか」
この児童の肥満度は50%くらいでしたから、かなりの肥満体型であるといえます。
しかし結論をいってしまえば、
太るということと、知能の発達とは関わりはありません。
肥満児だからといって知能指数が劣るなどということはないのです。
それではなぜ、成績が落ちたのでしょう。
これは私の想像ですが、この子は勉強が手につかなくなるようななんらかのストレスを受けていたことが考えられます。
友人関係、あるいは家庭内のこと……。
それというのも、人間はある程度の軽いストレスを受け続けると、それを食べることによって解消しようとすることがあるからです。
したがって、そのストレスの原因さえ取り除いてしまえば、肥満も学力の低下も両方解決するものと思われます。
ただし、太るということは全身に脂肪がつくということです。
それは肺の横隔膜や胸の回りも例外ではありません。
このような所に脂肪がつくと、呼吸運動をする筋肉の働きが鈍くなり、酸素と二酸化炭素の入れ替えをうまくできなくなります。
酸素は脳の活動にとってなくてはならないもの。
血液中の二酸化炭素の濃度が増えれば、脳への酸素供給が低下して集中力も散漫になり、勉強をはじめてもすぐに疲れてしまう。
このような状態で学力の低下に拍車をかけていた可能性は十分にありえることなのです。
また、急激な肥満によって本人が劣等感を持ち、落ち着きがなくなり、根気強く勉強することができなくなってしまったことも考えられます。
体重が90kg近くあったある作家が、ダイエットで70kgほどに体重を落としたところ、仕事に集中できる時間が長くなり、原稿を一気に書けるようになったと語っているのを聞いたことがあります。
難しい資料なども、あまり苦にせず、読めるようになったともいっていました。
また、ダイエットに成功した人の多くが、体が軽くなっただけではなく、精神活動も活発になり、頭の回転がよくなったように感じるといった感想を述べています。
このようなことを考えあわせてみると、あまりにも肥満しているような場合には、ダイエットで体重を減らしたほうが、頭脳の活動にも有利になるということがいえるでしょう。-----
EXTENDED BODY:
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肥満の原因は偏った食生活と運動不足
人が肥満になる原因は? と開かれて、だれもが真っ先に思い浮かべるのは「食べ過ぎ」ではないでしょうか。
たしかに一日の消費カロリーに対して、摂取カロリーが高すぎる……という生活が続くことによって人は肥満になります。
食べる量が多ければ多いほど、太る可能性が高くなるのは当然のことなのです。
しかし、ここに面白いデータがあります。
昭和三〇年から、平成四年までの間の日本人の平均摂取カロリーを調べたデータです。
これによると、昭和三〇年が二一〇四キロカロリー、平成四年が二〇五八キロカロリーで、その間摂取カロリー量の値にはほとんど変化がないことがわかります。
それなのに、肥満患者の割合は、昭和三〇年当時に比べて実に三倍にも増えているのです。
その理由の一つが、食生活の変化です。
昭和五〇年頃から、食べ物としてとる脂質の割合が急上昇して二〇%以上になっていることがわかります。
晴好が欧米化して、肉料理などをたくさん食べるようになったこと、ファーストフードの広がり、油の多いスナック菓子の普及などが、このデータの背後にあります。
脂質は、三大栄養素のなかでも、もっともカロリーが高く体脂肪として蓄えられやすい性質をもっています。
これが重要な要因となって、肥満になる人が急増したのだと考えられます。
運動不足が肥満をつくる
肥満になる人の数が増えた、もう一つの要因が運動不足です。
運動が不足してくると、運動によって使われる消費エネルギーが減るだけではなく、体のなかがエネルギー芸積しやすいような代謝状態に変わるのです。
つまり運動、が不足すると血糖を下げるインスリンの働きが弱くなり、インスリンの分泌量が増え、それが脂肪合成を促すわけです。
さらに、基礎代謝量(体の活性組織を維持するのに必要な最低エネルギー量)も減少するので、ますます脂肪が溜まりやすくなってしまいます。
食べ物の脂質摂取量が増えた昭和五〇年代といえば、ちょうど高度成長期時代にあたります。
クルマをはじめとする交通の発達や、家事労働の電化、肉体労働の減少などによって、体を動かす時間が急激に減りはじめた時代です。
こうした生活の傾向は現在は一層進んで、コンピュータゲームの普及などによって遊び盛りの子供たちでさぇ運動不足になりつつあります。
摂取カロリーが増えていないのに肥満が増えているのは、運動不足が大きな原因と考えてよいでしょう。
体の脂肪として蓄えられやすい食事、体の脂肪を溜めやすい生活(運動不足)。この二つが、肥満になる人を増やしている大きな要因です。
したがって、ダイエットを成功に導く基本も、この二つを上手にコントロールすることにあります。
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どのくらい太ったら危険なのか?
肥満というと、若い人たちはもっぱらスタイルのみ問題にしているようですが、私たち医師は、肥満の人の健康面を問題にします。
その昔、致命的な病気といわれていた結核のような、細菌感染による消耗性疾患が、衛生および栄養の改善により克服された現代では、生活習慣病と呼ばれるものがもっとも重大な死につながる疾患になってきました。
生活習慣病の中で、糖尿病、高血圧、痛風、高脂血症などは肥満と深い関わりがあり、三大死因のうちの脳卒中と心筋梗塞の危険因子とされています。
もう一つの大きな死因であるガンは、肥満とはあまり関係がないと考えられていましたが、最近、子宮ガン、前立腺ガン、乳ガン、大腸ガン、胆道ガンなどは、肥満の人のほうが正常な体重の人よりも、かかりやすいことがわかってきました。
このように、肥満は生活習慣病に結びやすく、健康面から肥満対策を考えなければならないわけです。
それでは、どのくらい太ると生活習慣病にかかりやすくなるのでしょうか?
肥満は、標準体重に対する過剰体重のパーセントを肥満度として判定します。
肥満度は次のような式で計算されます。
肥満度=(実測体重−標準体重)/標準体重×一〇〇(%)
肥満度がプラスマイナス一〇%なら正常ですが、三〇%を超えると、多くの人が糖尿病、高脂血症、高血庄、脂肪肝、胆石症、不妊症など、肥満に伴う病気にすでにかかっていることが、日本でも外国でも統計上明らかになっています。
したがって、肥満度が二〇%を超えると、生活習慣病にかかる恐れが出てきます。
また、糖尿病、高血庄、痛風、高脂血症などの生活習慣病は遺伝の影響が強い病気です。
身内にこれらの生活習慣病の人がいる場合は、肥満度が二〇%を超えたら真剣にダイエットに取り組むことをお勧めします。
日本肥満学会でも肥満度二〇%以上を肥満として、その対策をはじめることを勧めています。
また、身内に生活習慣病の人がいない場合でも、肥満度が三〇%を超えたら、すでに生活習慣病にかかっている可能性があります。
とくに四〇歳以上の人は成人病の検査を受けることをお勧めします。
もし生活習慣病にかかっていなかったら、生活習慣病予防のためにさっそくダイエットに取り組むことです。
ところで一般的な肥満とは別に、病的な肥満のことを「肥満症」といいますが、このような人には、(1)肥満が重症で日常生活が阻害される、(2)肥満に基づく生活習慣病などの病気が合併する、(3)肥満のために死亡率が高まる − などの状態が考えられます。
肥満度から見ますと、(1)に当てはまるのは七〇%以上、(2)(3)に当てはまるのは三〇%以上が目安です。
肥満度が七〇%を超えるところまで太ってしまうと、自分一人だけで減量することは難しく、入院して専門的な治療を受ける必要があります。
しかし、肥満度三〇%程度の人ならば、きちんとしたダイエットさえ行えば、自分一人で減量することは十分可能です。
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子供の肥満について
子供の肥満対策
最近は子供の肥満が問題になっています。
肥満児になったことは、子供自身には何の罪もありません。
おとなのように、自分で健康管理ができるものではないからです。
食事内容が昔と違って豊富になり、摂取エネルギーがふえてきているのにそれを消費するだけの運動が不足していることが、子供の肥満をふやしている一つの原因となっています。
肥満とは、体の脂肪組織が正常な人にくらべてふえている状態を言います。
これには二つのパターンがあります。
一つは脂肪細胞の中に脂肪がたまりすぎてそれぞれが大きくなることによって起こる肥満で、これを細胞増大型肥満と呼びます。
これは中年以降に起こる肥満に多く見られる型です。
もう一つは、譲脂肪細胞の数がふえるために起こるもので、細胞増加型と呼ばれています。
子供の肥満には、この二つのタイプがミックスしたものが多いのです。
つまり、脂肪細胞が大きくなっているばかりか、その数もふえているので、なかなか治しにくいタイプなのです。
ある調査によると、肥満児のうち50〜80%がおとなの肥満に移行し、また、おとなの肥満者のうち、30〜50%は子供のときすでに肥満児であったということです。
昭和三十年以後、日本経済の進歩とともに食生活も大いに変わりました。
昔にくらべてエネルギーとタンパク質の摂取は増大し、それに伴って子供たちの径も急激に向上しました。
ところが、体位は向上した半面、エネルギーのとりすぎにより肥満児が多くなってしまったという悪い面が出てきてしまいました。
いまでは中学生ともなれば男女とも親よりも大きい子供が珍しくないほど体格がよくなりました。
ところが体力は接に反比例して、持久力が劣っていたり、ここ一番いうときのふんばりがきかない子供が多くばなっています。
これは子供たちにも運動不足の害毒が襲ってきているからです。
新聞に、ある小学校の養護教諭がこんなことを書いていました。
「このごろ、つき指をする子供が多くなってきました。
ほとんどがボールを受けそこなったり、またはよけようとして指に当たってつき指したということで養護室に来ます。
私たちが子供のころはよくしもやけやひび割れができて痛い思いをしたものでしたが、これらはいまではほとんど見られなくなりました。
あのころのことを思い出すと、信じられないほどいまの子供たちの指はきゃしゃになり、掃除の時間にほうきが使えなかったりぞうきんがしばれなかったりする子供が多くなっています。
たくましく生きていくための手や足が、そして体が、だんだん弱くなってきているのです。これでいいのでしょうか」
小学生や中学生のこのころの生活は、学校が終えたあとは学習塾やおけいこごとなどに時間が費やされています。
日曜日になるとまた、有名中学や高校受験に備えての模擬テストを受けに行くなど、昔のように学校から帰ると暗くなるまで夢中で動きまわって遊ぶことなどめったにありません。
たまに早く帰ってきても、外で遊ぶよりも家でテレビゲームをするほうが好きという子がほとんどです。
また最近は、甘いものをほしがらない子供がふえてきていると言われています。
もともと甘いものは、体を激しく動かしたあとエネルギーを補給するためにほしくなるものです。
いまの子供たちは、甘いものがほしくないほどに運動しなくなっているのでしょう。
子供の肥満がふえてきている背景には、このような深刻な社会問題が横たわっていると思われます。
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ファーストフードはダイエットの敵
ハンバーガーやフライドチキン、ピザパイなど近頃私たち日本人の食生活もアメリカ風のファーストフードにすっかり慣れ、よく食べるようになりました。
ところが、このファーストフードこそ糖質、脂肪が多い高エネルギー食の典型のような食べ物なのです。
一般的に、ファーストフード類には、ボリューム感をもたせるために、油がたくさん使われているのです。
たとえば、ハンバーガーは普通サイズのもので一個260キロカロリー、ダブルバーガーは360キロカロリー、フライドチキン三本で540キロカロリー、ピザパイは一人前700キロカロリー、ファーストフードのお供につきもののフライドポテトは、スモールサイズ一袋でおよそ240キロカロリーものエネルギーがあります。
つまりお昼に、普通のハンバーガー二個とフライドポテトを食べ、さらにスモールサイズのコーラなどを加えると、合わせて840キロカロリーの食事になるのです。
成人の一日の平均的摂取エネルギーは、男性で2200キロカロリー、女性で1900キロカロリーです。
また肥満外来では、ダイエットに必要なエネルギー制限としては、男性は1600キロカロリー、女性なら1400キロカロリー程度を一日の摂取エネルギーとして勧めています。
つまり、ファーストフードでちょっと食事をすると、たった一食で、一日の目標値の半分以上を食べてしまうことになるのです。
しかもファーストフードは食べやすくできているので、本人はそれほどおなかいっぱい食べたという実感はわきません。
腹持ちもそれほどよくないので、またすぐおなかがすいてくるかもしれません。
これでは、ダイエットを成功させるのは困難です。
しかしながら、これほど食習慣が変化してくると、ファーストフードはとても身近な存在になっています。
会社の近所にファーストフード店しかなければ、まったく食べずに過ごすことは難しいことかもしれません。
また三大栄養素のなかの糖質、脂肪、タンパク質の量がほぼ均等の割合で作られているファーストフードは、口当たりがよいので「今日はどうしても食べたい」と思う日もあるでしょう。
しかも価格的にも比較的手頃、時間的にも素早くすますことができ、忙しい人には便利です。
ダイエットという立場からいうとできる限り避けたいファーストフードですが、もしどうしても食べたい場合には、せいぜい一週間に一回くらいと決め、ゆっくりとよく噛んで食べるようにします。
食べやすさにまかせて短時間に飲み込むように食べてしまうと、満腹感を感じられず、余計なデザートなどまで注文したくなるからです。
カテゴリー:肥満
間食について
一日にとるカロリー摂取量が同じならば、それを回数を少なく食べるよりは、回数を多くしたほうが太りません。
つまり一日2400キロカロリーの食事をしている人は、800キロカロリーを三回で食べるよりも、400キロカロリーを六回で食べたほうが、太ることを防げるというわけです。
このようにお話しすると、間食の回数を増やしたほうが太りにくいかのように錯覚する人もありますがそれは誤りです。
あくまでも、「一日にとる総カロリーが同じなら」という話ですから、カロリーを制限せず間食を増やしたのでは逆効果です。
なぜ、間食は太るのでしょうか。
その第一の理由は、間食はどうしても一日のカロリー摂取量を増やす結果になるからです。
「昼間ケーキ一個を食べるがわりに、夕食のステーキは半分にする」といったコントロールはなかなかできないものです。
現代のように、身の回りにおいしそうな食べ物があふれている時代には、三回の食事の摂取量を減らし、それを間食に回して全体のカロリー摂取量を均等に保つには、非常に強固な意志が必要です。
第二は、間食の食べ物の内容です。
間食にコンニャクやサラダを食べる人はいません。
食べるものはカロリーの高いものがほとんどです。
脂肪の多いスナック菓子、砂糖と脂肪の多いケーキ、砂糖の多い和菓子、果糖の多い果物……、脂肪、砂糖、果糖など、もっとも体脂肪になりやすいものばかりです。
第三は食べ方の問題です。
一日を通してみると、間食は昼間ばかりではなく夜食べることも多く、夜食症候群(夜に一日の半分以上を食べる)の食べ方に近くなります。
昼間よりも夜のほうが消化器官の機能が活発になっています。
そのため、食べた物が吸収されやすく、また脂肪に転換する消化酵素や脂肪合成酵素の働きも活発ですから、肥満になりやすくなるのです。
また、間食は、食事のときのように栄養の配分を考えないで、自分の好きなものだけを食べてしまうので、量を多く食べてしまうことになります。
制限カロリーをきちんと守ることとともに、間食の習慣をやめることが、ダイエットを成功へと導きます。
間食をやめただけで、体重が減少したという人も少なくないのです。
最近は、家庭の生活パターンがアメリカ的になってきています。
とくに夫婦共働きの家庭では、休日などにクルマでスーパーへでかけ、一週間分の食料を買い込んで来るという人たちも珍しくありません。
このとき、一週間分の「間食」も買ってしまいがちです。
間食のスナック類は、目の前にあれば、どうしても手が出ます。
食べなければ無駄になってしまうといういいわけが成り立つからです。
そこで、まとめ買いのときには、間食用の食品はリストから外すこと。
それがまず、間食と縁を切る第一歩です。
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早食い、ドカ食いは肥満の近道
ある会社に就職した新入社員。
昼食や夕食時に、上司の早食いにつきあっているうちに、一年とたたないうちに、上司とそっくりの肥満体型になってしまった。
こんな笑えない体験談を聞いたことがあります。
一般に、早食いやドカ食いは太るといわれますが、それはなぜなのでしょうか。
私たちが「もうおなかがいっぱいだな」と感じる満腹感は、脳の視床下部にある��満腹中枢�≠ェ刺激されて起こります。
その仕組みにはいろいろありますが、胃壁が伸びることと血中の血糖値が上がることが、満腹感に大きく関係していることがわかっています。
食物を食べたために胃壁が伸びたり、血糖値が130mg/dl程度に上昇すると(普段は90〜110mg/dl)満腹中枢が刺激されて食欲にストップがかかるわけです。
ところが、早食いは食べ物を口の中で味わう余裕もなく飲み込むため、「食べた」という満足感が少なく、何か物足りない感じにとらわれてもっと食べたくなります。
そのうえ、食べ物を胃に押し込むように食べるため、食べ物の胃の通過時間を短くしてしまうのです。
胃の通過時間が短くなると、胃の中に食べ物が充満せず、胃壁を十分伸ばすことがありませんので、満腹感をなかなか感じることができなくなります。
さらに、胃の通過時間が短くなる分、栄養が吸収される小腸に早く食べ物が達するため、栄養分が吸収ダイエットに欠かせない食事と栄養の知識される時間も早くなります。
満腹感のもう一つの要因である血糖値の上昇はどうでしょうか。
血中のブドウ糖の濃度が上がる仕組みは、食べ物のなかの炭水化物が胃腸でブドウ糖にまで分解されて、それが小腸から吸収され、血中に入ることによって引き起こされます。
つまり、血糖値の上昇によって満腹中枢が刺激されるまでには、多少の時間がかかるわけなのです。
早食いの場合、血糖値の上昇を脳が感じる前に、どんどん食べ物をつめこんでしまうので、満腹感を感じたときには「すでに食べ過ぎ」の状態になっているわけです。
早食いのもう一つ困った点は、短時間に次から次へと大量に食べ物を摂取するため、早く吸収されたアミノ酸やブドウ糖の血中濃度が急激に上がることにあります。
普通なら、血糖値の上昇は食欲の歯止めになるのですが、あまりにも急激に血糖値が上がってしまうと、それを抑えようとインスリンが過剰に分泌されます。
インスリンの過剰分泌は、今度は血糖の低下を招きます。
血糖が下がると、脳の視床下部にある空腹(摂取)中枢が刺激されて、食欲が高まるのです。
早食いドカ食いは血糖の急激な上昇→インスリンの過剰分泌→血糖の急激な低下→食欲の昂進→ドカ食いという悪循環を生んでしまいます。
ゆっくりとよく噛んで食べることが大切
このようにして、早食いは食欲を促し、なおいっそう食べたくなるという悪循環に陥り、食べ過ぎを招きます。
食べ過ぎによって吸収された栄養素は、体内で余剰エネルギーとして脂肪に変わり、肥満を進めていくことになります。
ドカ食いも同じことで、急激な栄養の吸収がインスリン分泌を高め、血糖を下げて食欲を増進させます。
そして急激に分泌されたインスリンは、体内の余分なエネルギーをせっせと脂肪に置き換える役割も果たしていくわけです。
ダイエットのためには、ゆっくりとよく噛んで食べ、少ない量で満腹感を得られるようにすることが大切です。
カテゴリー:肥満
糖質や脂質の多いものを食べるとなせ太るのか
栄養素にもいろいろありますが、エネルギーを含んでいるのは、タンパク質、糖質、脂質の三大栄養素です。
それぞれの持つエネルギーは、タンパク質と糖質が一g中に四キロカロリー、脂質が一g中に九キロカロリーです。
脂質がタンパク質や糖質の二倍以上のエネルギーを持っていることから、欧米では脂質は太る食べ物(栄養)で、タンパク質と糖質は太らない食べ物であるという考え方があります。
もちろん、これは間違った考えです。
私たちは大人になるともう身長は伸びません。成長がとまるわけです。
そのため日常消費する以上の余分な摂取エネルギーは、成長に使われることはなく、体内に貯蔵されるのですが、その九〇%は体脂肪として溜められます。
つまり、三大栄養素のどれが多過ぎても体の脂肪は増えていくことになるのです。
三大栄養素の中でとくに太るものは、どれかといえば糖質と脂質です。
私たちの体は活性組織と体脂肪で構成されています。
活性組織は水分とタンパク質と灰分から成っていますが、活性組織は毎日代謝されていますので、外から補充しないと生命を健康的に維持することができなくなって、病気になってしまいます。
標準体重1kgにつき一日一gのタンパク質が必要といわれるのは、活性組織中の代謝されるタンパク質部分を補充するために必要なわけです。
さらに、タンパク質は、胃腸から吸収されるときに熱となって燃えてしまう比率が糖質や脂質に比べて高いことがわかっています。
糖質や脂質が吸収の際に熱として放出されるのは、わずか八%であるのに対し、タンパク質では約二〇%が熱として放出されます。
以上のような理由で、タンパク質は体脂肪にまわる率が低いことになります。
ところが、糖質や脂質は胃腸から吸収されたあと、余分なヱネルギーはほとんどが体の脂肪となってしまい、太る原因になりやすいのです。
とくに私たちのような農耕民族の場合、長年にわたって糖質(米、麦など)からエネルギーを摂取してきました。
そうした習性が体の中にシステムとしてできあがっているため、糖質吸収に働くアミラーゼ酵素なども発達していて、糖質を分解しやすくなっています。
三大栄養素の中では、タンパク質を多めにしたほうがダイエット効果があるというのは、こうした理由があるからです。
気をつけなければならないのは、タンパク質が多い食べ物というと、肉を思い浮かべがちですが、肉には脂肪も多く含まれている(平均して肉の二〇〜三〇%は脂肪分)ということです。
脂身の多い部分を避けるなどの工夫が必要です。
また、脂肪が少ない肉の代名詞のようにいわれる鳥肉も、皮の部分はほとんど脂肪であることを忘れてはなりません。
その点、豆腐や豆に代表される植物性タンパク質は、脂質も少なく、ダイエットに適したタンパク源であるといえるでしょう。
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肥満と高脂血症の関係
肥満というのは、体に脂肪がつきすぎた状態のことを指しますが、実はこのようなときには皮下だけではなく、血液のなかの脂肪の割合も高くなっていることが多いのです。
ところで、血液のなかには四種類の脂質があることが知られています。
(1)中性脂肪 (2)コレステロール (3)リン脂質 (4)遊離脂肪酸
中性脂肪はエネルギーの源。
とはいうものの、たまりすぎると肥満になるわけです。
肥満によって高インスリン状態になると、肝臓で中性脂肪の合成が促進されて、血液中に放出され高中性脂肪血症になります。
この中性脂肪は脂肪組織に取り込まれるので、ますます太ります。
一方、コレステロールは、体の構成成分ですが、多過ぎると血管に付着して動脈硬化の原因になります。
一般に、肥満になると中性脂肪や総コレステロール値が上がり、血管をきれいにする善玉コレステロールの値が下がります。
動脈硬化になりやすい要因をリスクファクターといいますが、その四大リスクファクターは、一つが高血圧、二つ目が糖尿病、三つ目が高脂血症、四つ目が喫煙です。
このように書けば、おわかりのことと思いますが、肥満の人は四つのうち三つの条件を満たしている可能性が高いのです。
喫煙の習慣のある人なら、余計に危険度は増します。
動脈硬化になる日もそう遠くないといわざるをえません。
さらにもう一つ問題があります。
普通の人ならそれほど問題とはならない軽い動脈硬化でも、太っている人は、すぐに影響が現れてくるのです。
太っていればいろいろな組織の活動を維持するためには大量の酸素が必要になります。
そのため、狭心症の症状が出やすくなります。
また、心臓は一生懸命に体のすみずみにまで酸素を届けようとがんばります。
固くなった血管に、無理やり血液を通そうとすれば……、血管は破裂したり、またつまりやすくなります。
そのため心筋梗塞や狭心症発作、脳出血や脳梗塞などを招くことになるのです。
ちなみに、肥満が原因で血中濃度が上昇するのは、脂質だけではありません。
尿酸の濃度も高くなります。
血液中の尿酸が高いと、血液が酸性に傾く痛風をもたらします。
普通、血液中のブドウ糖は最終的には体内で水と炭酸ガスに分解されます。
ところが、肥満のためにインスリンの効き目が弱くなると、ブドウ糖の分解がうまくいかず尿酸をあげる代謝状態が発生してしまうのです。
風が吹いても痛いということから名づけられた痛風。
太っていて体にいいことなど、生活習慣病の観点からはほとんどないといってもいいくらいです。
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食べ過ぎは肥満の原因
ストレスが食べ過ぎを招いている
食べ過ぎるということを、科学的にいうと「体が必要とする以上のカロリーを摂取すること」ということになります。
余分なカロリーは脂肪となって体に蓄えられますので、肥満に直接結び付くことになります。
それでは、なぜ食べ過ぎてしまうのでしょぅか。
それにはさまざまな原因が考えられますが、最近とくに注目されているのがストレスによる食べ過ぎです。
ストレス状態に置かれると、身近な食べ物を手当たり次第に口に入れてしまう「気晴らし食い症候群」、あるいは「大食症」と呼ばれる精神科の病気もあります。
ここまでいかなくとも、サラリーマンが会社帰りに同僚とつきあい酒を頻繁にしたり、OLが帰宅時に好きな食べ物を大量に買い込んで集中的に食べるといったことなどは、ストレスを食べることによって紛らわせているのだといえます。
このような人はストレスが溜まらない生活の工夫や、趣味や社会活動などでストレス解消を図る工夫が必要です。
外国では、コーラなどの清涼飲料水をガブ飲みしたり、フライドポテトやポテトチップスなどの炭水化物を主体としたスナック類をがつがつ食べる「炭水化物狂」という食べ方をする肥満者がいることが注目されていますが、
このような極端な食べ方は、食べ方をコントロールする脳の中枢に異常があるためではないかと考えられています。
このような人も自制心を働かすことで過食は防げます。
食べる物の種類によって、肥満になりやすい場合となりにくい場合とがあります。
もっとも肥満に結び付きやすいのが、脂肪です。
脂肪には、炭水化物やタンパク質に比べて倍近いエネルギーが含まれているのです。
したがって脂肪の多い物を好む人は、同じ量を食べていても食べ過ぎ(カロリーオーバー)になりやすいわけです。
食べ過ぎが続いてある程度太ってくると、胃が大きくなります。
満腹感を感じるには、胃にある程度以上の量の食べ物が入る必要があります。
そのため、太っている人ほどますます食べ過ぎるようになり、肥満を助長していく結果になるのです。
また、たとえ食べ過ぎがなくても、偏った食生活も肥満の原因になります。
たとえば、一日に二食しか食べなかったり、一度に多く食べて食事間隔が長かったり(まとめ食い)するような生活が続くと、食べた栄養が吸収されやすいように体質が変化していくのです。
夜食症候群といわれる一日の摂取量の半分以上を夜に食べるケースも、太りやすい食べ方です。
夜は消化管の機能が活発になり、食べた物が栄養として胃腸から吸収されやすい状態になっているからです。
いくら朝食や昼食を控えめにしても、夜に大量に食べたのではなんにもなりません。
自制心を強め、ストレス対策を工夫したり、偏った晴好や食生活の間違いを直し、規則的な食事時間に適切な摂取カロリーをとるようにすることが、肥満を防ぐ方法なのです。
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肥満と女性特有の病気
女性には太りやすい時期があるということを以前書きましたが、肥満は女性特有の病気をもたらすことがあります。
体内の脂肪は、よくも悪くも女性にさまざまな影響を与えているのです。
肥満が原因となる女性特有の病気としては、まず不妊症があげられます。
肥満の人が通常体重の人に比べて不妊になる可能性は三倍以上というデータもあります。
肥満女性の約半分が、無月経や過少月経などの月経異常を訴えています。
月経は卵巣ホルモンによって調節されていますが、肥満になるとこれをコントロールしている脳の命令系統がうまく働かなくなるのです。
また命令を受ける側の卵巣も、太り過ぎにより卵巣被膜が厚くなるなどの理由で、機能不全を起こしている場合もあります。
しかし何よりも肥満が不妊を引き起こす一番の原因は、肥満による無排卵性月経です。
生理はあっても、排卵が伴わないのです。
卵巣から出るホルモンのなかには、エストロゲンという物質がありますが、肥満になるとこの分泌量が減り、排卵がストップしてしまうことがあります。
エストロゲンは食欲を抑制する働きもあり、この分泌量が減るということは、食べ過ぎに拍車がかかることを意味します。
ますます妊娠しづらい体になるわけです。
しかし、太り過ぎによる不妊は、原因がはっきりしているだけに対策も容易です。
ダイエットによって体重を減らせば、エストロゲンの量も上昇して再び有卵性月経に戻す ことができるからです。
さて、ダイエットに成功してめでたく妊娠。
今度は食べるのはおなかの子供のため……とばかりに必要以上に食べてしまうと再び困ったことになります。
女性は妊娠をきっかけにして肥満になる場合が多いのですが、肥満妊婦は妊娠中毒症の発症率が高いといわれています。
また、妊婦の腹部にたまった脂肪が胎児を圧迫して胎位異常を起こしたり、おなかの子が巨大児となって難産になるなどの弊害も現れてきます。
何事もほどほどに。
自分のためにも生まれてくる子供のためにも、栄養価の高い食事を適量とるようにしてください。
また女性特有の病気とはいえませんが、下肢の股関節や膝関節のなかでクッションの役割を果たしている軟骨が磨滅して、硬骨どうしがこすれるようになって痛みを生じる変形性骨関節症も、肥満女性に多い病気の一つです。
さらに、子宮ガン、乳ガンも女性特有の病気ですが、これらの病気も肥満の女性に多いことがわかっています。
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正月はなぜ太るか
肥満外来の医師たちは、患者の指導をはじめるときには、できる限り正月やお盆などを間に挟まないようにしています。
せっかくある程度減量に成功しはじめた患者さんが、正月が明けて再び病院に来たときには、またもとの体重に戻っていたということがよくあるからです。
皆様のなかにも、正月に二〜三kg太ってしまい、その後、なかなかもとに戻らず困ったという経験をもっている人もいるでしょう。
こうした正月太りには、二つの原因があります。
まず一つは、食べ過ぎ。
摂取カロリーの過剰です。
多くの家庭では、年内のうちに食料品を買い込み、正月料理の準備にとりかかります。
そのため、正月前後は常に食べ物が手の届くところにある状態となり、我慢できずに手を伸ばしてしまうのです。
たとえば、ダンボール箱ごと買っておくみかんは、放っておけばいたむこともあり、手を出しがちです。
しかし、中くらいの大きさのみかんは三個でご飯半杯分のカロリーをもっているのです。
また、おせち料理のほとんどが高カロリーなので、たとえ間食を我慢したとしても、これだけで過剰摂取になる場合があります。
ご飯一杯は一六〇キロカロリーですが、赤飯になると三〇〇キロカロリー、お餅は二切れでご飯一杯半分のカロリーになります。
きんとんに入っている栗は、ゆでただけなら一〇〇gで一五七キロカロリーですが、甘く煮ると二三七キロカロリーになります。
黒豆もゆでただけなら一〇〇gで一八〇キロカロリーですが、甘く煮れば二八九キロカロリーなのです。
食料事情が今とは違う昔は、正月のおせち料理はたいへんな御馳走でした。
年に一度くらい、このような高カロリーの食べ物を食べても、肥満につながることはなかったでしょう。
ところが現代のように普段から栄養豊かな御馳走を食べている時代にあっては、おせちの高カロリーは、肥満にすぐ跳ね返ってきてしまうのです。
正月が太る原因のもう一つが運動不足。
正月休みを家でゴロゴロと過ごしている人は、普段に比べて消費カロリーが約三分の二から二分の一に減少しています。
運動不足は消費カロリーを減らすだけではなく、余分なカロリーを脂肪に変えて蓄えやすい体質にもしてしまうのです。
正月早々ジョギングというのも大変ですし、おとそやお酒の入った状態で運動したのでは、心臓や血圧にもよくありません。
そこで、少し遠くへ初詣に出掛けるとか、なにか理由をみつけてできる限り体を動かすよう工夫しましょう。
食べ過ぎと運動不足のダブル攻撃による「正月太り」を防ぐには、普段より少なめに食べ、いつもの休日よりも積極的に体を動かすことです。
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肥満が動脈硬化の原因になる
動脈硬化は、生活習慣病などのさまざまな病気の原因になることが知られていますが、肥満者は、正常体重者に比べて三倍もの確率で、動脈硬化症になることがわかっています。
動脈硬化を進める要因をリスクファクター(危険因子)といいますが、高脂血症、高血糖(糖尿病)、高血圧、喫煙が四大因子です。
すでにお話ししたように、喫煙以外は、肥満の人は正常の体重の人よりもいずれも合併しやすいのです。
動脈硬化の進展、発病は、体の部分や臓器によって、異なります。
脳動脈は、高脂血症の影響も受けますが、血圧の影響を受けやすくできています。
脳の動脈が硬化すると、脳出血や脳梗塞の危険性が増します。
このような病気は、血圧の管理が進んだことで、かなり少なくなってきたとはいうものの、日本人の三大死因の一つであることに変わりはありません。
心臓に血液を供給する冠状動脈は、脳動脈とは異なり、血圧の影響よりも高血糖、高脂血症の影響を受けやすい動脈です。
冠状動脈が硬化すると、狭心症や心筋梗塞の原因になります。
このような疾患は、食事内容の欧米化にともない、発生頻度が上昇して、ガンに続く死因となっています。
下肢に発生する閉塞性末梢動脈硬化は、高血圧や高血糖、高脂血症の影響も受けますが、喫煙ともっとも深い関係にあります。
閉塞性末梢動脈硬化症になると、歩行中に下腿が痛む間欠性披行や、栄養障害に基づく潰瘍などを引き起こします。
このように、肥満者の動脈硬化症の発症や進展には、高血圧、高脂血症、糖尿病などによる血流・代謝の異常などが深く関与しているため、減量することが非常に基本的な治療方法になります。
またこれらの合併症の多くは、肥満の治療をすることによって、取り除くことができるのです。
薬物療法を行う場合も、体重を減少させることで、薬の量を減らすことができます。
薬の副作用を防ぎかつ薬の効果を上げるためにも、減量は肥満者の動脈硬化に欠かせない治療方法なのです。
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女性には太りやすい時期がある
男性では脂肪の割合が二五%以上、女性では三〇%以上の人のことを肥満といいます。
女性のほうがなぜ五%も多いのでしょぅか。
男性と女性の体を比較してみると、女性のほうが丸みのある柔らかな曲線であることはだれでも認めることと思います。
実はこの女性らしいプロポーションをつくっているのが、脂肪なのです。
そのため普通でも男性よりも体脂肪の割合が多くなっています。
脂肪は美しさの敵! とばかりに、過剰なダイエットに走ると、女性特有の美しさまで失われてしまうのです。
また、乳房は脂肪でつくられていますから、ダイエットをやりすぎれば、当然胸も小さくなります。
減量もほどほどに、というところでしょうか。
そうはいっても、女性の痩身願望は根強いものがあります。
体重もBMIも標準値なのに、それでもなお「痩せたい」と願っている人がとても多いのです。
どうやら彼女たちが理想と考えているプロポーションは、スーパーモデルや、ミスコンテストの合格者のような八頭身(最近では九頭身?)の体型。
ところがこのような女性たちのBMIを測定してみると、かなり「痩せ」の範囲に分類されることがわかります。
この値の人は、標準値に比べれば、病気にもかかりやすく平均寿命も短いのです。
わざわざ不健康な体重値を目標とするのは、ばかげた話だと思うのですが……。
さて、痩せたいと願う女性の心理とは逆に、女性には一生のうちで三回、太りやすい時期があります。
一回目が、中学生から二〇歳ごろまでの思春期の頃。
このころから男女の体脂肪の割合に変化が見られるようになり、女性は脂肪を取り入れて、女性らしい体型になるのです。
変化はやがて成人になるころには収まるので、普通は心配することはありません。
ところが、この時期はちょうど受験などと重なります。
年齢に応じた摂食量や運動量があれば、何の問題もないのですが、勉強に追われて、食べ過ぎや運動不足になると、必要以上に太ってしまうことにもなるのです。
二回目が、妊娠・出産の時期。
妊娠中には、インスリンの分泌量が増えて、ホルモンの活動も盛んになり食欲が増進します。
これは胎児の発育にはなくてはならない現象です。
母体の代謝活動は活発なので、食べた分だけすぐ太るということもありません。
しかし、それでも食欲にまかせて自分の好きな甘い物や脂肪の多い物などを過剰にとれば、太ることは免れません。
出産後、こうした食生活が身についてしまい、もとの体重に戻れない女性が約三割もいるといわれています。
そして三回目が、更年期のとき。
卵巣ホルモンのなかには、食欲を抑制するエストロゲンという物質が存在しています。
閉経にともないこのホルモンが失われるため、食欲のコントロールが難しくなるといわれていますが、実際は中年以後、基礎代謝を中心とした消費エネルギーが減るのに食べる量が減らないのが主な原因です。
どの時期でも、摂食量と運動量をコントロールすることで肥満は防げます。
男性の場合にも、三〇代、四〇代になると中年太りといっておなかが目立つ人が多くなります。
こちらは食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、そして加齢にともなう基礎代謝量の低下などが原因です。
女性のように体の機能の変化のせいにするわけにはいきませんので、自己管理をしっかり行って、おなかを引っ込めるように努力することが必要です。
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ムラ食いも肥満の原因
主婦やOLの間で、ケーキバイキングというのが大はやりだそうです。
一人で六品や七品食べるのは当たり前とのこと。
いくら甘さ控えめのケーキでも、これでは完全なオーバーカロリーです。
それにしても、人間というものは好きな物なら、いくらでも食べられるから不思議です。
なぜ食欲がストップするのか、ということは学問的にもほぼ解明されています。
ところが、なぜ食べ出すのかということについては、まだはっきりと解明されてはいません。
そんなことおなかが空くからに決まってるじゃないか、といわれてしまいそうですが、
研究者の立場としては「なぜおなかがすくのか」「どのようなシステムで食べる判断がくだされ、いつ食べはじめるのか」といったことには謎の部分が多いのです。
朝七時に食べる、昼一二時に食べる、夜八時に食べるといった食行動は、習慣として個人や家族、社会が決めているだけのことで、体のなかの指令に従っているわけではありません。
毎日の生活習慣を取り払ったとき、人間はどのような食のパターンをとるのでしょうか。
話をもとに戻しましょう。
好きな物は、いくらでも食べることができます。
たとえおなかがいっぱいになって、のどからあふれそうになっても、おいしそうなケーキが目の前に出てくると、つい手が出てしまいます。
これは理性ではなく本能のなせるわざなのです。
体が食べ物をほんとうに必要としているのか、冷静になって食欲にストップをかけなければなりません。
ムラ食いという言葉があります。
好きな物を、好きなときに、好きなだけ食べる。
なんだか王様の生活のようで、一種の憧れさえ感じます。
しかしダイエットという面から考えると、これは論外です。
好きな物はストップがかかりにくく、食べ過ぎてしまう傾向があります。
また、好きなときに食べるということにも問題があります。
食事の間隔が長くあくと、栄養を吸収し脂肪を蓄えようとする力が大きくなります。
朝食や昼食を抜くと太りやすい理由もここにあるのです。
それでは逆に、少量ずつを何回にも分けて食べたらどうなるのか。
実験をしてみると、同じカロリーの食事なら、回数をたくさんに分けて食べたほうが太らないことがわかりました。
しかしこれを普段の食生活に取り入れることは不可能です。
たとえ、取り入れたとしても、一回ごとの食事の量がついつい多くなり、結果的にはオーバーカロリーになってしまう危険のほうが高いのです。
結局のところ、三度三度の規則正しい食生活が、ダイエットには一番向いているようです。
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リンゴ型肥満と洋ナシ型肥満
肥満度からみると、一〇%以内なら正常、二〇%以上が肥満で生活習慣病の準備状態、三〇%以上はなんらかの生活習慣病にかかっている可能性のある病的な肥満(すなわち肥満症)であるというお話は、前にいたしました。
しかし、最近になって、肥満度からみるとそれほど重くない人でも、脂肪のつく場所によっては生活習慣病にかかりやすいことがわかってきました。
おなかから上に脂肪のつく肥満を上半身肥満、あるいは体形がリンゴに似ているのでリンゴ型肥満ともいいます。
腰から下に脂肪のつく肥満を下半身肥満、あるいは体形が洋ナシに似ているので洋ナシ型肥満ともいいます。
肥満をこの二つのタイプに分けると、上半身肥満の人は、肥満度が小さくても、糖尿病、高脂血症、高血圧、動脈硬化症などの生活習慣病にかかりやすいことがわかってきました。
上半身肥満と下半身肥満の区別は、
ウエスト(W)÷ヒップ(H)の計算で、0.8以上を欧米では上半身肥満としていますが、
日本では女性0.8以上、男性1.0以上が、生活習慣病になる危険が高いことが報告されています。
上半身肥満には二種類の肥満があり、おなかの皮が厚く、主として皮下に脂肪のつく皮下脂肪型肥満と、おなかの皮は薄くおなかの中の内臓のまわりに脂肪のつく内臓脂肪型肥満があります。
そして内臓脂肪型肥満のほうが、生活習慣病にかかりやすいことがわかってきました。
皮下脂肪型と内臓脂肪型を区別するには、CTスキャンという検査が必要ですが、おなかにたるみがあってつまみやすいときは皮下脂肪型、つまみにくいときは内臓脂肪型と考えられます。
CT検査によれば、肥満度からみて正常体重範囲内の人でも、おなかの皮下脂肪が薄く内臓周囲の脂肪が多い場合は、生活習慣病になりやすいともいわれています。
したがって、上半身肥満でとくに内臓脂肪型肥満の人は、肥満度が軽いうちから肥満対策が必要ということになります。
それでは、皮下脂肪型肥満の人の場合は、生活習慣病などの心配はないのかというと、一九九五年の国際肥満学会では、皮下脂肪型肥満でも安心することはできないということが報告されています。
というのは血糖を下げる働きをもつインスリンというホルモンの働きを下げる作用は、皮下脂肪の厚さが加わると一層加速されるからです。
ところで、上半身肥満あるいは内臓脂肪型肥満の特徴は、脂肪はつきやすいけれども痩せるときは真っ先にとれるのです。
つまり、ダイエットをすれば確実に効果が現れる肥満ですので、悩んでいないで早めにダイエットを実践するようにしましょう。
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肥満の原因をつきとめる
肥満の多くは生活習慣に根差しているため、ダイエットを始めるには、まずあなたの生活習慣を見直す必要があります。
生活習慣を見直すとからといっても、ただ漠然と「飲み過ぎかな」などと頭に思い浮かべたのでは実行が伴いません。
毎日の食事や行動をノートにまとめてみるのです。
そんな面倒なこと……、と思うかもしれませんが、実はこのように記録をつけてみると、自分が太る原因を明確につかむことができるのです。
とくに習慣になっていることは、無意識のうちに行動している場合が多く、自分では気付きにくいものです。
それを一度意識の下に引き出してみる必要があるわけです。
「ご飯を減らしても痩せないと思っていたら、こんなに間食していたのか」
「歩くように心掛けているつもりだったのに、毎日の合計がたった20分だった」
このような問題点がいろいろ浮かび上がってくるはずです。
日誌の苦労はたったの四週間の辛抱です。
生活習慣日誌をつけただけで、自分の肥満の原因を修正できるようになり、それほど苦労せずダイエットできる人もいます。
ノートのつけ方のポイントは、以下のようなことです。
- (1)できるだけ細かく記入する
- (2)その時の心理状態なども書き入れるとよい
- (3)後に回さず、そのつどつける(メモ帳につけて、一日の最後にまとめてもよい)
- (4)正直に書く
- (5)項目は、食事、行動、運動などの内容と時間を記入する。
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子供の肥満対策
太っている子供は一般にごはんが好きで、つい食べすぎることが多いようです。
そのような子には、ごはんをよくかんで食べることを教えましょう。
よくかめば、消化がよくなるばかりでなく、ごはんの味がよくわかるようになって、その結果食べる量がずっと少なくなるものです。
また食事のときは、まず最初にスープや野菜サラダのような低エネルギーのものから先に食べるように教えます。
そうすればある程度空腹感が弱まりますから、そのあとのごはんをあまりガツガツと早食いすることもなくなるでしょう。
ただし、子供は生野菜をあまり好みませんから、野菜はサラダだけにきめず、油でいためるなど子供に食べやすいよう料理して与えることもたいせつです。
たとえば、ほうれんそうやカリフラワー、ブロッコリーなどの野菜に、子供の好きなウインナーソーセージやハムなどを少量加えていためてやると、たいていは喜んで食べるようです。
そのときに、このような食べ物にどのような栄養があってそれがどのように体によいのかを、子供にわかりやすく説明してあげれば、本人もよく納得して、よくかんで味わって食べるようになり、減量にもつながります。
しかし、野菜がよいといっても、強制して食べさせるのではなく、自分から進んで食べるようにしむけることがたいせつです。
強いられて食べていたのでは長つづきしません。
材料の組み合わせや調理法のくふう、子供なりの自己管埋、がたいせつなのです。
次に間食の問題です。
肥満の原因は間食にあると思い込み、ほしがる子供に間食を与えない母親がいますが、これはまちがいです。
成長期の子供にとって間食は必要なのです。
子供の胃袋は小さいので、正常に体重をふやし身長を伸ばすために必要なエネルギーを一日三度の食事だけで摂取することは、胃に負担がかかりすぎます。
ですから一日に必要空ネルギーを何回かに分けて食べさせるようにし、その範囲内で質のよい間食を与えるほうがよいのです。
おやつの内容についてもよく考えねばなりません。
甘い菓子類を食べると、血液の血糖値が上がって空腹感がなくなります。
ですから、夕食の一時間ぐらい前におやつを与えると、夕食が食べられなくなります。
おやつは少なくとも食事の二時間以上前に与えるようにしたいものです。
しばらく前までは、甘いお菓子の食べすぎが肥満の原因になる例が多かったのですが、
最近はそれよりも、スナック菓子やインスタントめん、清涼飲料、それからお好み焼きやハンバーガーなどの立ち食いのスナック食が肥満の原因になってきているように思われます。
これらのスナック食はみかけ以上にエネルギーが多く、それでいて甘くないので食べやすく、つい食べすぎてしまうようです。
それで食欲がなくなり、きちんとした夕食を食べなくなるので、糖質ばかり多くエネルギー過剰になりながら、タンパク質やビタミンは不足するという、非常に偏った食生活になりがちです。
学習塾などに適っている子供は、帰宅する時刻が遅く、普通のおやつではおなかがすきすぎます。
このような場合には、夕食とおやつを逆にして、塾に行く前に夕食並みの食事をさせ、帰宅後におなかにもたれない、タンパク質の多い牛乳、チーズなどのおやつを与えるようにすると、過剰摂取が防げます。
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